アメリカ合衆国と中国の対立が深まり、「台湾」がこの新冷戦の焦点となっています。2020年09月21日、中国共産党の報道官は「台湾海峡の中央線は存在しない」と断じました。
これは台湾にとって大問題です。
事実上の国境だった「台湾海峡の中央線」を公式に否定!
この「台湾海峡の中央線」というのは、1990年代から、中国と台湾の事実上の国境となる形でお互いに認識されてきた空域・海域の境界線でした。
これを中国は公式に否定したのです。
中国共産党の御用新聞『人民日報』が「外務省は米国当局者の台湾への連続訪問に対応する:それは正当な対策となる」という記事を公表。記事中に、中国の外交部報道官、汪文斌さんが『Bloomberg』(ブルームバーグ)の記者に対しての質問に対する回答で明言しています。
以下にその部分を引用します。
彭博社记者:据台湾媒体报道,解放军军机17日越过所谓“海峡中线”。中方对“海峡中线”持何立场?
『Bloomberg』の記者:台湾メディアの報道によると、人民解放軍の軍用機は17日にいわゆる「中央海峡」を横切りました。「台湾海峡の中央線」について中国の立場をどう考えていますか?
汪文斌:台湾是中国领土不可分割的一部分,不存在所谓的“海峡中线”。
汪文斌:台湾は中国領土の不可分の一部であり、いわゆる「海峡の中央線」などというものはありません。
このように公式に台湾海峡の中央線を否定しました。「中国が台湾の空域・海域を自国のものとして振る舞う」という宣言です。
台湾、および台湾を中国から守りたい合衆国はこの宣言に対抗しなければなりません。
合衆国は、台湾を国として認め、正式な国交を結ぶ(国交を再開する)動きに出る可能性が高まりました。
(柏ケミカル@dcp)