2020年11月19日、『韓国銀行』から「International Investment Position」(対外資産負債残高)が公表されました。
また面倒くさいものが出てきたと思われるかもしれませんが、知ると面白いですから一席お付き合いくださいませ。
「対外資産負債残高」(「IIP」)は、海外との金融投資の取引について「資産」と「負債」がいくらあるのかを示します。
つまり「IIP」を見ると韓国の対外金融資産・金融負債が分かるのです。
この資料によると、韓国の2020年09月末時点での対外金融資産・負債は以下のようになっています。
対外負債(external debt):5,110億ドル
対外純資産(net external assets):4,614億ドル
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト
「純資産」は、「資産 – 負債」で求めます。資産の方が多ければプラス、負債の方が大きければマイナスになります。一応、現在の韓国は資産の方が多く、2015年以降はプラスに転じて、順調に対外資産を積み上げてきた――となっています。
この点についてはひとまず置きますが、注目ポイントは以下です。
General government(一般政府)※:1,128億ドル(対前期比:78億ドル増加)
一般政府の対外負債が3カ月で「78億ドル」(約8,101億円:「1ドル=103.86円」で換算)も増加しました。
しかも先にご紹介したとおり、
2020年06月:5,031億ドル
2020年09月:5,110億ドル
増加分:79億ドル
全体での負債増加は「79億ドル」でした。
つまり、負債増「79億ドル」のうち「98.7%(78億ドル)」が「一般政府」のセクターで発生したのです。「約99%」という驚きの数字です。
韓国政府がコロナ禍を乗り切る資金調達のために対外債務を増加させたと考えられます。
韓国メディアも指摘するとおり、韓国政府の負債は雪だるま式に増加しており、これは「対外」的なものでもそうなのです。もちろん全くいいことではありません。
※「General government」の定義は以下のようになっています。
General government: the central government, local governments and
social security institutions.
(松田ステンレス@dcp)