WTO(World Trade Organizationの略:世界貿易機関)の事務局長選挙が止まっています。ナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ(Ngozi Okonjo-Iweala)さんと韓国の兪明希(ユ・ミョンヒ:Yoo Myung-hee)さんの一騎打ちとなったRound3では、オコンジョイウェアラさんが圧倒的多数の支持を受けたのですが……全会一致の原則があるために決定までいきませんでした。
得票差が挽回できるようなものでないため、韓国の兪さんには「辞退すべき」という圧力がかかっており、どうするのかと注目されていたのです。
2020年12月08日、韓国メディア『毎日経済』に、兪さんが08日アメリカ合衆国に向けて出発したという報道が出ました。同紙によれば、
ロバート・ライトハイザー合衆国通商代表部(USTR)代表、民主党通商小委員会の関係者らと会い、次期バイデン政権における米韓の通商問題を確認すると共に、WTO事務総長の問題について最終的な協議する予定
⇒参照・引用元:『毎日経済』
と外交筋が伝えたとのこと。
バイデン政権ができたら「合衆国からの支持が失われるのか」を確認しにいった、というわけです。トランプ大統領なら「中国との関係が深いとされるナイジェリア」のオコンジョイウェアラさんを支持しないで頑張ってくれそうですが、バイデンさんの場合容易に折れそうで心配なのです。
韓国メディアでは「名誉ある撤退論」が出ていますが、果たして韓国政府と兪さんにその決断ができるでしょうか? 支持率が急落している文在寅大統領にとっては、本当なら兪さんが事務局長になってくれたら自分の業績に加えることができたのに……と悔しい気持ちでしょう。
大統領選挙の結果を巡って合衆国ではややこしいことになっていますので、今渡米しても「それどころじゃない!」といわれそうな気配もあるのですが。
(吉田ハンチング@dcp)