2020年12月10日、あの『マッキンゼー』から「2020グローバル銀行年次報告書」という興味深いリポートが出ました。コロナ禍からの景気回復のため、全世界的にお金をじゃぶじゃぶまいていますが、貸したお金が返ってこないリスクが高まっているというのです。
至極当然の話ではありますが、このリポートによれば「貸倒引当金」を「1兆1,967億ドル」積んでおかないと危ないと推計しています。貸倒引当金というのは、回収できない可能性のある債権を見積もってあらかじめ用意しておくお金です。
約2兆ドルですから、日本円で「約209兆円」という気が遠くなるような金額です。ちなみにこれは2008年のリーマンショック時に積んだ「6,604億ドル」の3倍以上です。
本件を報じた韓国メディア『毎日経済』は「マッキンゼー韓国事務所」に取材しているのですが、それによれば「韓国市中銀行は今年末までに貸し倒れ引当金を2兆ウォン以上追加する見通し」で、「2021年もコロナ19の状況が改善されない場合、今年の2兆ウォンに加えて、さらに2兆~3兆ウォンが必要になるだろう」とのこと。
韓国では一応2021年03月にコロナ禍による融資サポートが終わる予定です。その場合、融資を受けた企業・個人などがお金に困ることが多くなり、借りたお金を返済できなくなるリスクが高まると予想されます。すると焦げ付きも増えて、今度は銀行の健全性について大丈夫なのかという話になってきます。市中銀行がそれほど貸し倒れ引当金を大量に積めるのかという話もあります。
もちろん韓国に限った話ではないのですが。
⇒参照・引用元:『McKinsey & Company』「McKinsey’s Global Banking Annual Review」
(吉田ハンチング@dcp)