2020年12月18日、アメリカ合衆国トランプ大統領が署名し、「Holding Foreign Companies Accountable Act」(外国企業説明責任法)が正式に法律になりました。
以下が主な内容です。
発行者が(合衆国から見て)海外の会計事務所を用い、PCAOB(Public Company Accounting Oversight Boardの略:公開企業会計監視委員会)の監査が行えない場合は、この証明を必ず行わなければならない。
3年連続で検査できない場合には、その発行者の有価証券の合衆国内での取引を禁止する。
監査報告書を作成するために海外の会計事務所を用いている場合には、その発行体は非検査年度ごとに情報を開示しなければならない。つまり、検査が行われない年でもチェックは行う。
⇒参照・引用元:『CONGRESS.GOV』「S.945-Holding Foreign Companies Accountable Act」
同法は「Foreign Companies(外国企業)」という名称になっていますが、明らかに「中国企業」を標的にしています。
オバマ大統領の時代に、中国企業に対する監査をザルにしたために粉飾決算を行っているような企業が合衆国に上場できてしまい、結果投資家に甚大な被害を与えたためです。遅ればせながら、中国企業(その背後にいる中国共産党)にこれ以上甘い汁は吸わせない、という法律です。
同法によって企業は次の情報を明らかにしなければなりません。
・政府機関が支配的な財務上の利害関係を有しているかどうか
・発行者の役員会のメンバーおよび定款に、中国共産党が含まれているかどうか
『U.S.-CHINA ECONOMIC AND SECURITY REVIEW COMMISSION(米中経済安保調査委員会)』は、先に合衆国主要株式市場に上場している中国企業は「217社」とカウントしています。
さて、これら企業はこの法律に耐えられるでしょうか。例えば時価総額第1位の「Alibaba Group Holding Limited」(日本でもよく聞く『アリババ』)は合衆国の監査を受けてボロが出ないで済むでしょうか?
合衆国市場に上場した中国企業に投資している方々はご注意のほどを。
(柏ケミカル@dcp)