事実上破綻した韓国『双竜自動車』について、韓国メディア『韓国経済』に2020年12月の販売台数が「1万591台」を達成したという記事が出ました。2020年通年の販売台数が「10万7,416台」になりました。
これは、韓国完成自動車メーカーのブランドを生き残らせたいという愛国心の発露かもしれません。地力はあるのだ、みたいな主張をしたいのかもしれません。
しかし、無駄です。
この程度では『双竜自動車』を黒字化することなどできませんし、そんな数字に引っ掛かって『双竜自動車』を買おうなどという投資家がいるとは考えられません。もしいるとしたら数字の読めない投資家です。
なぜそんな確信が持てるのかというと、過去の実績です。
2011年にインドの『マヒンドラ&マヒンドラ』が(よせばいいのに)資金を投入してから現在まで、黒字になったのは「2016年」だけです。
この2016年、『双竜自動車』は年間販売台数が15万台を超え、営業利益「280億ウォン」を達成しました。しかし、15万台に届かず、14万台にとどまったときは赤字でした。
つまり、『双竜自動車』という会社は、年間の販売台数が「15万台」を超えないと黒字にならないのです(国内販売・海外販売合わせて)。恐らく採算分岐点がその辺りにあるものと推測できます。
ですから、10万台を超えたのがどうした?なのです。あと5万台超売って初めて黒字になりますし、もし構造改革を行なうなら、現実的な売上の身の丈「10万台」に合わせてコストカットをしなければなりません。
このような「10万台達成」の数字に釣られて火中の栗を拾う投資家があるとしたら、経営のど素人か、よほど何か他に勝算があるか、のどちらかでしょう。
15四半期連続赤字は伊達じゃない! のです。
(吉田ハンチング@dcp)