注目の韓国『現代自動車』が2020年の決算を発表しました。以下です。
営業利益:2兆7,813億ウォン(22.9%減少)
当期純利益:2兆1,178億ウォン(33.5%減少)
コロナ禍の逆風の中よくセーブして利益を出せたものです。特に売上高が1.7%しか減っていない点にご注目ください。
『現代自動車』にとって助かったのは、SUV、電気自動車という単価の高い高付加価値車が主力となって売れたことです。そのため売上高がそこまで下がらずに済みました。
しかし、その電気自動車でみそをつけてしまったのも事実です。例の火事を起こす電気自動車「コナ・エレクトリック」です。世界的にリコールが発生したため、2020年第3四半期に「品質コスト引当金」を積むことになってしまいました。
『現代自動車』が積んだ「品質コスト引当金」は「2兆3,163億ウォン」。本来であればこれが利益に乗ったはずなのです。非常に無念なことに、エンジンの欠陥、バッテリーセルの製造不良による火事騒動が足を引きました。
「たられば」はいくらいっても仕方ありませんが、悔やまれるオウンゴールです。
販売台数を見ると以下のようになります。
韓国内販売台数:78万7,854台(6.2%増加)
海外販売台数:295万6,883台(19.7%減少)
小計:374万4,737台(15.4%減少)
韓国内の販売台数が増加しているのは、上半期に韓国政府が減税措置など支援策を取ったのが効きました。その支援がない海外では販売台数はコロナ禍で落ち込み、このような結果になっています。ガンとして減税措置を取らないどこかの政府もよく考えてもらいたいものです(うちの国だ!)。
というわけで『現代自動車』2020年かく戦えり!でした。
『現代自動車』(そして今やグループ企業となっている『起亜自動車』)はなんとかやり抜いた1年でしたが、それで韓国の自動車産業の弱体化が止まったわけではありません。念のために先に掲載したグラフを以下に再度出します。
このとおり韓国の自動車輸出台数は見事に右肩下がりです。その上、『現代自動車』『起亜自動車』以外の『韓国GM』『ルノーサムスン』『双竜自動車』は今や完全に弱っているのですから。
(吉田ハンチング@dcp)