あまり一般には報道されませんが、韓国の景気は非常に悪いので国策銀行『産業銀行』は大車輪の活躍です。
政府の方では自営業者を支援するため「損失補てん法」(月24兆ウォンの支出になる)を準備しており、『産業銀行』が中小企業の支援に1兆ウォンを投入する準備に入りました。
2021年01月29日、『産業銀行』は以下の「財務安定プログラム」を公表しました。
「財務安定プログラム」
①ポストコロナ事業再編施設資金:7,000億ウォン
②ポストコロナ経営安定化支援資金:3,000億ウォン
小計:1兆ウォン
①ポストコロナ事業再編施設資金:7,000億ウォン
②ポストコロナ経営安定化支援資金:3,000億ウォン
小計:1兆ウォン
①は、企業のM&A、またR&Dを支援するためのもので、最大500億ウォン、中堅企業には最大1,000億ウォンを最大20年満期で融資するものです。金利は最大1.0%
②は、流動性不足(要は現金が足らない)に陥った企業向けに運営資金を貸し出すものです。満期は最大3年で、金利は状況に応じて段階的に適用されるとなっています。
つまり、借りてすぐは経営状態が悪いでしょうから金利は安く、良くなってきたら通常の金利を支払うといったことが可能です。中小企業は100億ウォン、中堅企業は300億ウォンまで融資を受けられます。
資金の規模は足りるのか?
中小・中堅企業の支援に乗り出すのはいいことでしょうが、資金の規模がこれで足りるのかという疑問があります。①は一応「7,000億ウォン」を準備していますけれども、中堅企業は1社最大1,000億ウォンですから、7社でおしまいという事態だってあり得ます。
また中小企業の資金需要に3,000億ウォンがリミットで足りるのか、という話です。
そもそも揉めている「損失補てん法」もソウル・釜山市長選を見据えた「与党の人気取り政策だ」との批判があります。その流れで国策銀行がこのような資金支援を行うことを言い出したのだとしたら、あまりいいことではありません。
(吉田ハンチング@dcp)