韓国ではコロナ禍による不況の中、株式・不動産の価格が上昇してきました。政府が流動性を枯渇させないためにじゃぶじゃぶお金を提供する方針を取っていますが、このお金が消費、企業の投資に回らず、株式・不動産に回ったからです。
また、韓国の家計では現金を手元に残しておく傾向が強まっています。その証左として、最高額紙幣である「5万ウォン札」がちっとも『韓国銀行』に戻ってこない、という現象が見られます。
『韓国銀行』では市中に提供した各種お札が何パーセント戻ってきたのかのデータを取っていますが、2020年の「5万ウォン札」の返還率はわずか「24.2%」でした。
2019年コロナ前にはこの返還率は「60%」あったので、この数字がいかに異常なのか分かります。しかも市中には「133兆5,000億ウォン」もの現金があるにもかかわらず、です(2020年11月時点)。ちなみに、この数字は2001年12月以降で最大です。
「個人用金庫」の輸入が増えた!
韓国メディア『毎日経済』が面白いデータを発見しています。「個人用金庫」の需要が大きくなり、その輸入量が増えたというのです。以下に記事の一部を引用します。
(前略)
金とお金が積もる中、それに応じて個人用金庫の需要も増加した。関税庁の輸出入統計によると、昨年個人用金庫は前年比3.5%増の411万9,000ドル分が輸入された。
(後略)
このように韓国のお金じゃぶじゃぶ状態は、現金をとっておくというトレンドを生んでおり、タンス預金を増やしているのです。
(吉田ハンチング@dcp)