やれイタリアが危ないとか、そろそろ韓国がドボンだとか、国の破綻についての記事が続いていますが、日本も他人事ではありません。なにせ赤字国債を発行してなんとか予算を成立させている国なのですから。今回も国債についての話です。皆さんは「イールドカーブ」という言葉をご存じでしょうか?
国債の話になると「イールドカーブ(yield curve)」あるいは「イールド曲線」という言葉が登場することがあります。イールドカーブは「利回り曲線」と訳されます。
例えば国債の場合には、その償還期間によって「2年もの」「5年もの」「10年もの」といった種別があり、それぞれに利率が異なっています。それらを時間(償還までの残存期間)を横軸に、(1年の)利回り(利率でないことに注意してください!)を縦軸にとって、描いたグラフのことです。
普通、国債のイールドカーブは右肩上がりになります。なぜかといいますと、1年先や2年先ならともかく、10年先、20年先のその国の経済状況など誰にも正確に予測できないので、償還期間の長いものほど高い利回りになっているからです。そうでなければ、とてもではありませんが償還期間の長い債権を購入しようという人はいないでしょう。
これは『Investing.com』から引用した日本国債の「イールドカーブ」です。日本国債の利回りも右肩上がりになっていますね。ところが、この右肩上がりのはずのイールドカーブが、その国の経済状況、つまりは破綻可能性によって大きく崩れることがあるのです。
例えばアイスランド国債のイールドカーブを見てみると、
このように右肩下がりになっています。これは、償還の残存期間の短いものですら買い手が高い金利を要求するという状況を示しています。つまり、買い手は破綻可能性の高い国債であると判断している証拠なのです。
このように国債のイールドカーブを見ることで、その国の破綻可能性を市場がどのように見ているのかを知ることができます。
(高橋モータース@dcp)