経済的危機に陥っている企業・家計にお金を回すため、韓国政府は「35兆3,000億ウォン」の第三次補正予算を組みました。
財源をどうするのかというと、23兆8,000億ウォンは赤字国債の発行で賄うとのこと。
さっそく韓国メディア『ソウル経済』にこの件についての記事が出ました。『ソウル経済』2020年06月03日の記事から一部を引用します。
3次補正で今年国債純増額は108兆5,000億ウォンに急増しており、このうち、赤字国債が97兆6,000億ウォンに達する。
昨年国債純増額(44兆5,000億ウォン)に比べると2倍を超え赤字国債(34兆3,000億ウォン)で比較すれば3倍に迫る。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
なんと2019年との比較で、国債発行額で2倍、赤字国債ではほぼ3倍(2.8倍)に達するのです。
国債発行というのは政府の借金ですから、先にご紹介したとおり、韓国政府の借金(政府負債)はこれで「849兆ウォン」(75兆,5610億円:2020年06月03日のレート「1ウォン=0.089円」で換算)確定です。

政府の人間が「財政ファイナンス」を勧めちゃダメでしょ
なにせこんな大量の国債ですから債券市場で消化できるか(つまり買い手がつくのか)という懸念が出ています。この景気が悪いのに昨年の倍の国債です。機関投資家が購入してくれなければ資金調達ができません。
そこで!「韓国政府は『韓国銀行』の役割に期待している」そうです。
同記事の白眉は以下の部分です。
(前略)ホン副首相は、「韓銀が国債を吸収してくれるような役割を、かなりの部分の量を消化してくれることを期待している」とし「国債市場の影響がかなり緩和されると考えている」と述べた。
韓国政府が発行した国債を『韓国銀行』は買ってくれるよね、そうすれば債券市場で消化しなければならない量は減るからさ――というわけです。
これはいわゆる「財政ファイナンス」です。
財政ファイナンスとは、政府の発行した国債を中央銀行が買い入れることで、つまり「国債をお金の代わりとすること」です。財政ファイナンスは先進各国では禁止されています。財政規律が緩んでロクなことにならないからです。
ここまで露骨に「財政ファイナンスをしてくれ!」と表明する姿がメディアに登場するのも珍しいのではないでしょうか。
もうここまできたら本当にお札を刷って買えばいいのではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)



