非常に興味深いデータが韓国の金融監督院から出ました。
上掲は、融資に対する延滞率の推移です(金融監督院の資料から引用)。お金を借りて返済期限までに返せず、延滞している率です。
2021年01月末時点では「0.31%」で非常に低いことがお分かりいただけるでしょう。前月、2020年12月末時点では史上最低の「0.28%」となっています。
何度もご紹介しているとおり、コロナ禍の中、企業・家庭への銀行からの融資は激増しました。企業・家庭は莫大な借金を抱えたわけですが、なぜ延滞率が上昇しないのでしょうか?
これには理由があります。
2020年金融当局が、中小企業・個人事業主に対して「融資の満期(返済期限)を延長、利子払いを猶予する措置」を取ったからです。2021年03月にはこの措置を6カ月延長(09月まで)することも公表しています。
このおかげで延滞率は史上最低まで落ちたのです。
ですがこれは債務返済の先送りであって、その間に銀行にとっての不良債権がたまっていくことを意味しています。
猶予措置が終わるときにたまった不良債権の金額が明らかになり、また延滞率が急上昇するでしょう。
⇒参照・引用元:『韓国 金融監督院』公式サイト「21 .1月末国内銀行の融資延滞率の現状(暫定)」
(吉田ハンチング@dcp)