ずいぶんご無沙汰ですが、韓国文在寅大統領がぶち上げた「韓国版ニューディール」については基金の組成が進み、基金の中で最も力が入っている「韓国版ニューディールファンド」は一般投資家への販売が開始されています。
タイムリーにご紹介しそこなったのですが、2021年03月29日に発売され、6つの銀行ですでに完売。『企業銀行』(中小企業銀行)で割り当てられた220億ウォン(約22億円)のうち22億ウォン(約2億円)を残すのみとなっています。
初弾2,000億ウォン(約196億円)がほぼはけたので、文大統領はじめ政府関係者、金融機関の人も胸をなで下ろしていると思われます。
しかし! 問題はこれからです。
あと12.8兆集まるの? まだやってる元本保証
なにせ、民間の投資家から全部で「13兆ウォン」(1兆2,740億円)集める計画でしたから、2,000億ウォンなんてまだ「1.5%」集めたに過ぎません。残り12兆8,000億ウォン投資してもらわないといけないのです。
また、この人気には理由があります。
先にご紹介したとおり、政府機関が劣後出資しているため、基金が21.5%損失を被っても、投資家はこれを被ることはありません。元本保証があるようなものです。
先にご紹介したとおり、「元本保証!利益3%保証!」とうたって韓国中から「法律違反だバカ」と非難されたため、慌てて取り消しましたが、事実上の元本保証を行うような証券類になっているのです。
まず、あと12.8兆ウォンも集まるのか?という疑問が一つ。
あと、元本保証は投資家にとってはいいでしょうが、集めたお金を投資した先が空振りだった場合、政府機関が巨大な債務を背負うことになります。
これまでの韓国の「なんとか基金」の失敗の積み上がりを見ると、韓国版ニューディール基金なるものも、決して先行きが明るいとはいえません。投資家と政府が心中――なんてことにならなければいいですが。
(吉田ハンチング@dcp)