韓国政府は債務(返済しなければならない借金)を急速に増加させています。2020年段階で「D1」(中央政府+地方政府)は846.9兆ウォン(約83兆円)に達しており、対GDP比率は「44.0%」です。
ただし、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)は、2020年段階で、韓国の負債の対GDP比率を「48.7%」としています。
負債の増加について韓国政府は「他国と比較しても債務は少ない方だ」などと説明しております。例えば「OECD各国平均からしても低い」といった言い方です。
では、これは正しいのでしょうか?
OECD加盟国の負債対GDP比率(2020年)を『IMF』のデータから拾ってみると以下のようになります(OECDのデ-タが古いので『IMF』の「Fiscal Monitor」2021年04月から抜粋)。
アイスランド | 79.9% |
アイルランド | 59.8% |
アメリカ合衆国 | 127.1% |
イギリス | 103.7% |
イスラエル | 73.0% |
イタリア | 155.6% |
エストニア | 18.5% |
オーストラリア | 63.1% |
オーストリア | 85.2% |
オランダ | 54.0% |
カナダ | 117.8% |
韓国 | 48.7% |
ギリシャ | 213.1% |
コロンビア | 62.8% |
スイス | 42.9% |
スウェーデン | 38.5% |
スペイン | 117.1% |
スロバキア | 64.0% |
スロベニア | 81.5% |
チェコ | 37.6% |
チリ | 32.5% |
デンマーク | 43.4% |
ドイツ | 68.9% |
トルコ | 36.8% |
日本 | 256.2% |
ニュージーランド | 41.3% |
ノルウェー | 41.4% |
ハンガリー | 81.2% |
フィンランド | 67.1% |
フランス | 113.5% |
ベルギー | 115.0% |
ポーランド | 57.7% |
ポルトガル | 131.6% |
メキシコ | 60.6% |
ラトビア | 45.5% |
リトアニア | 47.0% |
ルクセンブルグ | 25.5% |
37カ国の平均値は「78.6%」で、韓国は「48.7%」ですから、これだけなら確かに韓国の国家債務は低い方かもしれません。
ハードカレンシー国を抜くと……?
巷間「ハードカレンシーを持つ国と一緒に考えてはいけない」とよく言われますので、「ドル」「ユーロ」「円」「スイスフラン」「ポンド」を自国通貨とする国、またハードカレンシーに準ずるとされる「カナダドル」「オーストラリアドル」を持つカナダとオーストラリアを抜くとどうなるでしょうか。
になるので、韓国の「48.7%」はまだましとはいえますが、特に負債比率が低い方とはいえないのではないでしょうか?
さらに、韓国の負債比率が「69.7%」になると予測されている2026年にはどうなるかというと、
37カ国平均:78.1%
ハードカレンシー・準ハードカレンシー国除く平均:57.9%
韓国:69.7%
ハードカレンシー・準ハードカレンシー国を除いた平均を韓国は抜くことになるのです。つまり、韓国の負債の増加速度は尋常ではないということを示しています(『IMF』がそう見ていることを示しています)。
(吉田ハンチング@dcp)