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中国「台山原子力発電所」仏紙は「フランスの基準では停止しなければならないレベル」と報道

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アメリカ合衆国メディア『CNN』によって放射線漏れの疑惑が指摘された中国広東省にある「台山原子力発電所」。『広東台山核電合営有限公司』が建造・運営しているのですが、この合弁会社には30%、フランス『フランス電力』(略称「EDF」)が出資しています。

また、その関係で『EDF』の子会社である『Framatome(フラマトム)』が運営に協力しているのです。

先の記事で、フランス側の視点を入れ損ないましたので、フランスメディア『フィガロ』の2021年06月14日の記事でどのように書かれたのかをご紹介します。実は、同紙には非常に細かい点を報じています。

以下に記事の一部を引用します。

問題の原因は中国のフランスが設計した原子炉にあるが、警告は奇妙なことにワシントンから来た。

『CNN』によると、台山の第1EPR原子炉は「差し迫った放射能リスク」を 示している 、と『フラマトム』は06月03日にアメリカ合衆国当局に語った。

台山の2つの原子炉は今のところ、フランスが設計した世界でサービスを開始した唯一のEPRです。
(後略)

EPR」とは、「European Pressure Reactor」の略で「欧州加圧水型炉」と訳されます。第3世代の加圧水型原子炉の設計で、もともとはフランス『アレバ』社が開発したもので、台山原子力発電所は世界で初めてこれの商業運転を開始した原発なのです。

次に以下の部分が他のニュースよりも詳しい内容になっています。

プラントの中国側運営者である『中国広核集団』(CGN)が「一次回路における希ガスの濃度の増加」に言及したことを月曜日(2021年06月14日)『EDF』の広報担当は確認した。

(中略)

一次回路は、「放射性燃料によって非常な高温に加熱された水が密閉された容器内を高圧で通過する」という原子炉内の回路です。

(検出された)放射性の希ガスは、燃料集合体に収められた何千本もの燃料棒の一部から漏れ出したもので、燃料集合体は1次系の水を加熱するために原子炉容器に浸されていました

ジルコニウム合金製のこれらのチューブ(燃料棒)は高さが4メートルを超え、濃縮ウランペレットが詰められている。

ケースが漏れ始めると、原子の核分裂によって生成されたクリプトンやキセノンなどの希ガスが一次回路内に拡散する

クリプトンやキセノンなどの希ガスの濃度が上昇したのは、ジルコニウム製の燃料棒のケースが何らかの原因で破れ、本来であれば燃料棒内にとどまるはずの希ガスが一次回路内に拡散したためというのです。

さらに次の部分です。

(前略)
La contamination du circuit primaire était, fin mai, de l’ordre de deux fois supérieure au seuil qui, en France, commande l’arrêt du réacteur dans les 48 heures (soit 150 gigabecquerels par tonne d’eau), d’après une source ayant eu connaissance du document envoyé par Framatome aux autorités américaines. Aujourd’hui, ce chiffre a dû encore augmenter. Au-delà de 1000 gigabecquerels par tonne d’eau, un réacteur français doit être stoppé d’urgence, dans un délai de huit heures.

『フラマトム』がアメリカ当局に送った文書を知る関係者によると、05月末の時点で1次回路の汚染は、フランスでは48時間以内の原子炉停止を命じる基準値(水1トンあたり150ギガベクレル)の2倍に達していたという。

現在、この数字はさらに増えているはずだ。

水1トンあたり1,000ギガベクレルを超えると、フランスの原子炉は8時間以内に緊急停止しなければならない
(後略)

あくまで伝聞の内容ですが、汚染のレベルはフランス基準では原子炉を停止しなければならない水準だったとしています。先の記事でご紹介したとおり、『CNN』の報道があった後も台山原子力発電所の2基ともいまだ稼働しています。

⇒参照・引用元:『フィガロ』「Incident au sein de la centrale EPR de Taishan, en Chine」

(吉田ハンチング@dcp)

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