韓国の次期大統領選挙の前哨戦が開始されています。
特に現政権与党の『共に民主党』では候補者を6人に絞るカットオフ予備選が07月11日に行われるため、マスコミに候補者の発言が大きく取り上げられるようになっています。
最近メディアに出た注目すべき発言をピックアップしてご紹介します。
●李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事(『共に民主党』所属)
(開催迫る東京オリンピックについて)
「負担があるとしても、歴史的記録も残すことを兼ねてボイコットを検討すべきだ」「ただし、一生懸命準備してきた選手たちの将来のこともあるので、国単位で参加するのではない参加方法もある」
(日本についての態度について)
「私を反日的と評する方々がいるが、私は日本を憎んだり、日本国民に対して反感を持ったりしていない」「問題は(日本の:筆者注)保守右翼政治集団だ」
「日本の政界に反省的かつ未来志向的な判断と行動をお願いしたい」「大韓民国は他国の政府樹立段階とは異なり、親日清算ができない状態で親日勢力が米占領軍と合作し、再びその支配体制をそのまま維持した」
(女優キム・ブソンさんとの関係について)
「その方の話はこのくらいでいい」⇒参照・引用元:『朝鮮日報(日本語版)』「李在明知事『親日・米占領軍が大韓民国を樹立』」「李在明知事『東京五輪ボイコット検討すべき』」
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
李知事は韓国メディアでは次期大統領候補ナンバーワンといわれる人ですが、日本との関係、かつてあったとされる女優さんとの不適切な関係について韓国マスコミから注目されています。
●李洛淵(イ・ナギョン)前代表(『共に民主党』所属)
( 曹国(チョ・グク)さんを文大統領が法務部長官に指名したことについて)
「(指名)しない方がいいという意見を(文在寅大統領に)申し上げた」
疑惑のタマネギ男といわれた 曹国さんが法務部長官に指名されたことについて、当時の裏舞台を明かした発言です。
文大統領は、李前代表の進言を聞かなかったことになります。 曹さんは国民の批判が高まったため、結局せっかく就任した法務部長官職も辞さなければなりませんでした。
ちなみにこの発言は、野党から「曹さんを法務部長官に就けたことについて、当時国務総理だったんだから責任があるだろう」と突っ込まれた際の回答。
ですので、責任回避をしていると取れなくもありません。
●梁承晁(ヤン・スンジョ)忠清南道知事(『共に民主党』所属)
(中韓海底トンネルを造ることを公約として)
「世界最大の市場をわれわれの機会にしなければならないという信念を込めて、巨視的かつ長期的な課題として中韓海底トンネルの大長征を始める」⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「『この時局になぜ韓中海底トンネル?』 大統領選候補者の公約にネットユーザー不満爆発」
この梁さんは2021年06月29日に次期大統領選出馬会見を開き「中韓海底トンネル」を造ることを公約として掲げました。
現在は北朝鮮があるため、中国とは陸続きではありませんが、このトンネルができたら中国との行き来は自動車で可能になります。
中国・山東半島と韓国・泰安郡を全長323kmの海底トンネルで接続しようというビッグな企画ですが、170兆ウォン(約16兆6,600億円)の工事費がかかると見込んでいます。
ただし、この経費を中国と折半するという虫のいい話になっております。中国が「イヤです」といえばそれまでですが、果たしてどうなのでしょうか。
ちなみに、本件を取り上げた『中央日報(日本語版)』の記事タイトルにあるとおり、韓国のネット上では「なぜ今そんなものを……」という批判が出ています。
筆者的には「大長征」などという中国共産党用語が使われているのが気になりますが……。
最近の注目発言を取り上げてみました。なかなかそれぞれの個性が出た発言で、韓国の有権者の皆さんにもいい判断材料になるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)