何度かご紹介していますが、韓国の公社の多くは財政は火の車です。鉄道関連もその例に漏れません。
ソウル市で地下鉄1~9号線の運営を任されている『ソウル交通公社』も赤字でソウル市からの公的補助がなければ維持できません。
このような体質になっているのは、そもそも運賃を安価に設定しすぎているからです。旅客1人を運ぶたびに赤字がかさむ料金設定になっているのです。
韓国は日本より鉄道料金が安いなどの声がありますが、もう何度でも言いますが、これは鉄道会社がその分の赤字をかぶっているからです。
国民のために安価に設定しているといえば聞こえはいいですが、なんのことはない結局税金から補てんしているわけで決して褒められたものではありません。韓国の鉄道会社が「公社」なのは一般企業として独り立ちできないからです。
で、『ソウル交通公社』が足りない資金を入手するために発行した債券がついに「2021年6月末時点:2兆380億ウォン」(約1,997億円)に達したことが分かりました。
だから「適正料金」にすればいいじゃん!
2兆380億ウォンは、2020年末と比較して「41.7%」の急増です。
CP(コマーシャル・ペーパー:約束手形の一種)まで入れると、発行額は「2兆7,580億ウォン」(約2,703億円)に膨らみます。
債券もCPも借金の手段です。赤字体質であるため発行しないと回らないのです。しかも、2021年の決算では「1兆6,000億ウォン」の赤字を出す予定です。
この韓国鉄道関連の赤字の話のたびに書いていますが、解決策は一つしかありません。誰がなんといおうが、きちんと鉄道公社が維持できるように料金を「適正」に値上げするだけです。
地方政府が補てんして料金をいくら安価に見せても、結局は国民の税金から足しているわけで、それなら最初から適正料金を旅客から取るようにすればいいのです。
問題は実行する肝の据わった政治家がいないことです。
鉄道料金を上げますといって当選するわけがないので、誰もやりたがりません。そんなだからだらだらと韓国の鉄道公社は赤字を垂れ流し続け、債券を発行して借金を積み上げるのです。
韓国は鉄道料金が安い、はインチキです。
(吉田ハンチング@dcp)