イギリスのEU離脱担当であるラーブ大臣(Dominic Rennie Raab:ドミニク・レニー・ラーブ)が辞任しました。EUと一応の合意に達した草案について自らの政治信条との齟齬があり、それに責任を持つことができないというのが辞任の理由です。
ラーブさんは自身のTwitterで以下のようなtweetをしています。
Today, I have resigned as Brexit Secretary. I cannot in good conscience support the terms proposed for our deal with the EU. Here is my letter to the PM explaining my reasons, and my enduring respect for her.
本日、私はBrexit Secretary(ブレグジット担当官)を辞任しました。 私は、EUとの取引に関して提案された条項を自身の良心に照らして支持することができません。 これが私の辞任理由を説明する首相への手紙です。彼女(メイ首相)に変わることのない敬意を表します。
⇒データ出典:Twitter『Dominic Raab』2018年11月15日-0:53
https://twitter.com/DominicRaab/status/1062992019449098241
ラーブさん辞任の約1時間前には、シャイレッシュ・バラ北アイルランド担当閣外相(Shailesh Vara)が辞任しました。EU離脱についての重要な閣僚が一気に二人辞任したわけです。バラさんはTwitterで自身の辞任について以下のようにtweetしています。
With much sadness and regret I have submitted my letter of resignation as a Northern Ireland Minister to the Prime Minister. A copy of my letter is attached. It has been a joy and privilege to serve in the Northern Ireland Office and I will always cherish the fondest memories.
大いなる悲しみと後悔をもって、私は北アイルランド大臣として首相に辞表を提出しました。 ここに私の手紙のコピーを添付します(※tweetに画像が添付されている)。 北アイルランド事務所で働くことは喜びでした。私はその思い出を大事にしていきます。
⇒データ出典:Twitter『Shailesh Vara MP』2018年11月14日-23:32
https://twitter.com/ShaileshVara/status/1062971538977234944
ラーブさんの前にEU離脱担当大臣だったデイビスさん((David Michael Davis:デビッド・マイケル・デイビス)もやはり同様の理由で大臣を辞しています。また、先に外務大臣を辞任したジョンソンさん(Alexander Boris de Pfeffel Johnson:アレグザンダー・ボリス・ジョンソン)も、メイ首相のEUへの融和的な方針に反対してのことでした。
ラーブ大臣の辞職によって、合意に達した草案がイギリス議会に承認されることはまず不可能になったと見られています。メイ首相は、EUとの離脱合意案が議会を通過しなかった場合には、「合意なき離脱(ハードブレグジット)」か「離脱自体を撤回する」かの二択になるかもと、ついに「離脱しない可能性にも言及したようです。メイ首相の政権はまさに危機的な状況です。
当然ですがポンドは下落しています。
(柏ケミカル@dcp)