Money1でもご紹介していますが、韓国では電力不足によるブラックアウトの発生が懸念されており、韓国政府はそれを払拭するため、脱原発政策をかなぐり捨て、稼働可能な原子力発電所を全部動かす勢いとなっています。
火事を起こして整備中だった原発も含め、これまでに3基が再稼働、投入されました。
韓国の電力取引所によれば、その効果もあって電力予備率は10%以上を確保するまでに回復しました。
動かしてみて気付いた原発コスパの良さ
危機的状況にあって、原発のコスパの良さに改めて注目されたためでしょう、ここにきて韓国メディアでは「脱原発基調を変えねば」という論調が目立つようになっています。
というのは、韓国では電気料金の値上げが避けられないと見られているからです。
原因は、クリーンエネルギー政策をむやみに推進し、太陽光・風力発電施設を増設し続けたことが背景にあります。政府が補助金を出し、電気の買い取りを電力公社に義務付けたため、発電会社が軒並み赤字になるという異常事態になっているのです。
『韓国電力公社』の6つの子会社(発電会社)の2020年の「当期純利益」をご覧ください。
2020年 当期純利益
韓国南部発電: -176億ウォン(約-16億円)
韓国中部発電: -299億ウォン(約-29億円)
韓国東西発電: -654億ウォン(約-63億円)
韓国西部発電:-1,090億ウォン(約105億円)
韓国南東発電:-1,391億ウォン(約-134円)
韓国水力原子力発電: 6,179億ウォン(約593億円)
小計:+2,569億ウォン(約247億円)
韓国南部発電: -176億ウォン(約-16億円)
韓国中部発電: -299億ウォン(約-29億円)
韓国東西発電: -654億ウォン(約-63億円)
韓国西部発電:-1,090億ウォン(約105億円)
韓国南東発電:-1,391億ウォン(約-134円)
韓国水力原子力発電: 6,179億ウォン(約593億円)
小計:+2,569億ウォン(約247億円)
ご覧のとおり、黒字で回っている発電会社は、水力発電・原子力発電を担当している『水力原子力発電』のみで、他の5社は全部赤字です。
さらに悪いことには、燃料となる石油、石炭の価格が上昇しています。そのため2021年には赤字が拡大するものと予測されています。
そのため、電気料金を値上げせざるを得ない、というわけです。ただし、韓国政府自体はまだ「値上げを決定」とはしていません。
(吉田ハンチング@dcp)