先に韓国の家計負債がついに「1,805兆ウォン」(約169.7兆円)に達したことをご紹介しましたが、その中で特筆すべきポイントがあるのでご紹介します。「クレジットカードローン」の急騰です。
利子負担が重いカードローンが急増した!
クレジットカードローンは、通常の銀行貸し出し金利よりも高いのが特徴ですから、カードローンの利用額が著しく増加するということは、韓国民の皆さんが高い利率によってより多くの利子払いを行っていることを意味します。
2021年上半期末時点で、韓国の7大カード企業※のクレジットカードローン融資残高は「34兆1,311億ウォン」(約3兆2,083億円)となりました。
2020年上半期末時点で「29兆7,892億ウォン」(約2兆8,002億円)でしたから「4兆3,419億ウォン」(約4,081億円)も増えました。なんと14.6%も増加したのです。
韓国の金融当局は2021年の家計負債の増加率を5~6%としていましたので、その2~3倍に達する増えっぷりです。
銀行が融資を絞った影響です
なぜこれほどクレジットカードローンの利用金額が増えたのでしょうか?
これは、2020年第4四半期から韓国の金融当局が銀行に対して融資を絞るように指導したことが影響を与えていると考えられます。
金融当局の指導は、家計負債の急増を懸念し、家計が借金を増やすのを止めようとしたものです。
銀行から新規融資を受けられないとなれば、他の貸し手を探すのは当然。そのため、金利が高いけれども貸してくれるクレジットカードのローンに融資を求める人が増加したのです。
言うまでもありませんが、これはいいことではありません。
ここにきて韓国の金融当局はさらに家計への資金融資を止めようとしています。クレジットカード会社への締め付けが始まり、カードローンの新規融資が凍結される事態になれば、さらに金利が高い貸し金業者、あるいはヤミ金的なものにまで融資を求めることになるでしょう。
これは先にご紹介しましたが、以下のようなデータもあります。
2021年01~06月
多重債務者:269万人
(カードローン利用者414万人の65%)⇒参照・引用元:『韓国 金融監督院』公式サイト
※多重債務者は「3つ以上の金融機関から融資を受けている者」という定義
韓国は多重債務者の比率が高過ぎる国です。カード会社を換えながら自転車操業を行っている人が多いということです。ここで新規融資が止まったら即座にドボンになる人が多いことを意味します。
突き詰めると、韓国政府はまた徳政令を出すことになるかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)