『韓国銀行』上げられない!金利凍結。経済成長率見通しを1.4%に下方修正!

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2023年05月25日、韓国の金融通貨委員会は基準金利の凍結を決めました。

韓国では「基準金利」といいますが、アメリカ合衆国は「政策金利」で日本語でもこちらが多く使われます。同義です。

市場予測のとおりで「予定どおり」です(以下は『韓国銀行』が出したプレスリリース)。

⇒参照・引用元:『韓国銀行』「通貨政策の方向(2023.5.25)」

これによって、アメリカ合衆国と韓国の政策金利の差は韓国史上最大の「1.75%」が維持されました(上限)。

アメリカ合衆国:5.00~5.25%
韓国:3.50%

Money1でも何度もご紹介しているとおり、韓国は基準金利を上げられる状況にはありません。

漸減傾向にあるとはいえ、家計負債は対GDP比で100%を超えており、企業負債の増加速度も上がっています。融資でなんとかしのいでいる家計・企業が増えており、ゾンビ上場企業も2022年には3割に達しました。

金利を上げるとなんとか耐えているダムが決壊する可能性が高まります。

インフレ率はいまだ高め水準(2023年04月時点で3.7%)にあるものの、全体状況からして金利を上げることは無理なのです。

韓国金融当局としては、(合衆国の動向次第ですが)このまま金利を維持して、引き下げるタイミングを狙うという思惑と見られます。

もちろん『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は「まだ下げるときではない」と、期待する向きに釘を刺していますが。

問題は、合衆国連銀がどうするかです。次の『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)は06月14日ですが、『Fed Watch』を見てみると以下のようになっています(2023年05月25日11:09時点)。

「5.25~5.50%」になる、つまり「0.25%」(=25bp)上げる可能性は「32.7%」となっています。

現在は、韓国からの顕著な資金流出の兆しは見えませんが、金利差が「2.00%」に開くと、それでも大丈夫とは誰も断言できません。市場が決めることだからです。

今回のプレスリリースの中に興味深い点があります。以下の部分です。

(前略)
国内経済は消費がサービスを中心に緩やかな回復傾向を見せたが、輸出と投資不振が続いて成長傾向の鈍化が続いた。

雇用は全体的に良好な状況だが、景気鈍化で就業者数増加幅が縮小した。

今後、国内経済は当分不振な成長の流れを続けていくが、下半期からIT景気不振緩和、中国経済回復の影響波及などで徐々に回復すると予想される。

今年の成長率は02月の見通し(1.6%)を下回る1.4%と予想され、IT景気の反騰時期、中国経済回復の国内波及影響程度、主要先進国の景気フローなどに関する不確実性が高い状況だ。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国銀行』「通貨政策の方向(2023.5.25)」

『韓国銀行』も、韓国の経済成長率の予測をこれまでの「1.6%」から「1.4%」に引き下げました。

このように、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁率いる『韓国銀行』も、韓国経済が当初の見通しよりも苦しい状況にあることを認めています。

(柏ケミカル@dcp)

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