今回の件は、不動産賃貸について韓国独自のシステムについて知らないと「?」と思われるでしょうから、先にそれについてご紹介します。
韓国独自の「チョンセ」とは
韓国には、不動産を借りるときの独特の「伝貰(チョンセ)」というシステムがあります。
例えば、マンションを賃貸する際に、その物件価格の60%などの金額をまとめて支払わなくてはなりません。その代わりに月額の賃貸料は無料で、最初に預けたお金「伝貰金」は退去するときには(基本)全額戻ってきます。
「大屋さんは全然もうからないじゃん」と思われるかもしれませんが、大屋さんは受け取ったお金を運用してもうけるのです。かつては銀行金利が5%以上ありましたから、受け取ったお金を銀行に放り込んでおくだけでもうけが出たのです。
しかし、韓国も金利が下がり、チョンセよりも「月貰(ウォルセ)」が増えています。こちらは、韓国以外の国でポピュラーな月額の賃貸費用を払うというシステムです。ただし、賃貸契約時に保証金を支払うのは現在も一般的。この保証金は、日本でいう敷金と同じで、退去時に全額返ってきます。
文政権下でチョンセ融資も2.8倍に!
現在もチョンセシステムはすっかりなくなったわけではありません。問題は、チョンセの場合、最初に積まなければいけない保証金が巨額になってしまうことです。
例えば、1,000万円の物件の60%払えといわれたら、600万円も必要なことになります。これをすぐ出せといわれてなかったら引っ越しもできません。
そこで韓国の銀行では「チョンセ融資」というローンがあります。
文在寅政権下で不動産価格が急騰しましたが、この「チョンセ融資」の利用残高も大幅に多くなったことが分かりました。
五大市中銀行のチョンセ融資残高比較をご覧ください。
伝貰融資額(残額基準)
2017年06月末: 52兆8,189億ウォン(約4兆9,650億円)
(文在寅政権発足直後)2021年06月末:148兆5,732億ウォン(約13兆9,659億円)
なんとチョンセ融資残高は2.8倍にもなっています。
文政権は本当に借金を増やしたんだなぁと実感させてくれます。政府負債だけでなく家計負債も異常に増加させたのが文政権のスゴいところです。
(吉田ハンチング@dcp)