久しぶりに「金鉉宗(キム・ヒョンジョン)さん」が韓国メディアに大きく登場しました。
次期大統領選挙について、自身のFacebookページで、極左と目されている「李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事が大統領にふさわしい」とする書き込みを行い、これが記事になったのです。
金さんは日本とも関係の深い人物です。
2019年07月に日本が韓国に対して輸出管理強化を打ち出した際に、「GSOMIAを破棄するぞ」というカードを持ち出し、日本との交渉を有利に進めようとトンチンカンな戦術を主導した人です。
その結果、当時国務省にいた「やる男」マシュー・ポッティンガー(Matthew Pottinger)さんにアメリカ合衆国に呼びつけられ怒鳴られました。
そうして、読者の皆さまもご存じのとおり、「GSOMIA破棄の凍結宣言」というおかしな声明が出る羽目になったのです。
この金さんは、かつては大統領府 国家安保室第2次長を務め、文大統領の最側近にしてブレーンと目されていました。
そのため、韓国メディアでも「金さんが李知事を支持したぞ」と記事になったのでしょうが、記事が出た後すぐさま青瓦台・大統領府は「金鉉宗前国家安保室第2次長は、04月に大統領外交安保特別補佐官で解職された」「報道に注意してほしい」という表明を行いました。
金さんは、国家安保室第2次長から外交安保特別補佐官に転じ、04月に自らの希望によって職を辞していたのです。
金さんの李知事支持表明については「現職の青瓦台メンバーが公的立場を省みず、支持者を明らかにするのはダメだろう」という批判が出たのですが、大統領府はすぐに「すでに青瓦台のメンバーではない」と火消しに動いたというわけです。
また、現文大統領と李知事の間には遺恨があって、李知事が大統領になってもへたをすると文大統領は牢屋に行かなくてはならないのではないか、という観測があります(日本ではあまり知られていませんが文大統領と李知事の仲は悪いのです)。そのため、元大統領府のスタッフが李知事をあからさまに応援するのはまずいという忖度が働いたのかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)