韓国の株式市場が下落局面なためなのか、またぞろ韓国で「外国人投資家の空売りを規制しよう」という議論が盛り上がりそうです。
空売り一部解禁から外国人投資家が空売った金額は「223兆ウォン」
何度もご紹介していますが、韓国株式市場ではコロナ禍による大暴落があった2020年03月に「明日から空売りは全面禁止」という無茶苦茶な措置を取りました。
これが一部解禁されたのは2021年05月03日。なんと1年2カ月も空売り全面禁止を続けました。
で、一部解禁となってから09月17日まで、外国人投資家がどのくらい空売りを行ったのかが集計されました。韓国メディア『毎日経済』が報じているところによれば、以下です。
05月03日~09月17日「外国人投資家の空売り金額」累計
KOSPI市場:193兆7,760億ウォン(約18兆212億円)
KOSDAQ市場:39兆4,180億ウォン(約3兆6,659億円)
小計:233兆1,940億ウォン(約21兆6,870億円)※ただし取引上位50銘柄のみ集計
⇒データ出典:『毎日経済』「月に空売り再開後、外国人の空売り233兆ウォンを超えた」
外国人投資家の皆さんは「約22兆円」も空売りを行いました。
『毎日経済』の記事によれば、このデータを基に、ソン・ジェホ国会議員が「空売り制度は機関と外国人に有利であり、個人投資家にとっては非常に不利な形」、「外国人の空売りが適正な株価算定の制御ツールとして使われるのか、それとも外国人の利益追求の手段としてのみ使われるのかを綿密にチェックし、改善策を講じる必要がある」などと述べたとのこと(引用元は上記記事)。
噴飯ものの主張です。
韓国人だろうが、外国人だろうが「空売りは利益追求のために行う」に決まっています。それとも、外国人投資家は韓国株式市場の安定のために空売りを行うべきなのでしょうか?
そんなことを言ってるから韓国株式市場は先進国市場とは認められない
ネイキッド・ショート(簡単にいうと存在しない株式を空売りすること)ならいざ知らず、普通の空売りに規制をかけてどうしようというのでしょうか。そんなことをしても株価が上がったりはしません。また、よしんばそれで株価が上がったとしても、その価格はうそでしょう。
『MSCI』から「お宅はいつまで空売り禁止をやってるんですか? とても先進国市場とは認められません」と指摘されたのをもう忘れたのでしょうか。
そんなことを言っているので韓国株式市場は先進国市場とは認められないのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)