小ネタかもしれませんが、「そういうとこだぞ」という突っ込みが入りそうな話ですのでご紹介します。
2021年10月21日、韓国のロケット「ヌリ号」が発射されました。ロケットは無事に飛び、第1段、第2段と切り離しフェアリングを分離して第3段に点火……ここまでは良かったのですが、第3弾ロケットの燃焼が予定時間に足りず、衛星を軌道投入できなかった――という結果でした。
青瓦台・大統領府からは「宇宙が近付いた」という声明が出ましたし、韓国メディアでは「半分成功」などの評価が出ています。
今回の「ヌリ号」打ち上げについて韓国メディア『ソウル経済』に「『宇宙4大国』に向かって進まなければ」という記事が出ているのですが……。
一部を以下に引用します。結びの段にご注目ください。
私たちも「ヌリ号」発射に向けて『韓国航空宇宙産業』『ハンファエアロスペース』『現代重工業』などの能力を集結したが、宇宙強国との格差はまだ大きい。
昨年基準でアメリカ合衆国は480億ドル、ロシアは358億ドル、中国は88億ドルを投資したのに対し、私たちの宇宙開発予算は7億ドルにとどまった。
宇宙強国になるには、宇宙のコントロールタワーを整備し、技術水準をより引き上げる必要がある。
(中略)
領土が少なく資源が不足している韓国は、宇宙の領土確保競争に積極的に乗り出し、新しい未来成長動力を育てなければならない。
私たちは、宇宙戦争で活路を開拓する政府の全面的な支援の下に「宇宙4大国」に向かって進まなければならない。
この文脈ですと、韓国は合衆国・ロシア・中国を宇宙大国と認めており、この中に加わって「宇宙4大国」にならなければならない、そうです。
先に「ヌリ号」を打ち上げる際には、「合衆国・中国・ロシア・インド・日本・欧州宇宙機関」の6つを挙げ、韓国は「7つの宇宙強国に入る」などといっていたはずですが、すっかり「日本」「EU」「インド」はなくなっています。
ロケットは確かに飛びましたが、衛星の軌道投入には失敗しています。ですのでミッションが成功したのかといえば、これは失敗したと言わざるを得ません。
今回は惜しかったですが、また挑戦するしかありません。
ですから、韓国はまだ日本、EU、インドを無視して「宇宙4大国」などと言い出せる位置ではないはずです。こういう謙虚さがないのが韓国のダメな点ではないでしょうか。
成功してからいうべきでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)