韓国メディアの報道で「日本・韓国の交渉過程の一端」が漏れ出てきています。
韓国の『CPTTP』※加盟への動きが強まっています。直近では10月末~11月初頭に加盟申請が決定される予定だったのですが、あまりにも性急で時間がないということで1週間先送りされました。
しかし、11月中には加盟申請を決断するものと見られます。
加盟申請の決断が延期された理由は、今年の議長国である日本が態度を曖昧にしているためかもしれない――という話です。
韓国は「先進国」であり「世界でも大国」(加えて「道徳的に日本より上位にある国」)と考えていますから、韓国が加盟申請すれば当然それは通ると思っているのです。
しかし、日本から見ればそうではありません。そして「日本が韓国の加盟申請に積極的でないこと」を韓国も分かっています(いや分かってないかも)。
ですが、韓国の面子は「日本が韓国の加盟申請を否決すること」によって破砕されてしまいます。それはどうしても避けたいのです、
つまり、加盟申請を表明した後に、既加盟国からの賛成表明をしてほしいのです。間違っても中国のように、麻生太郎さんから「入れるような状況ですかね」などと言われたくわけです。
日本は韓国の加盟申請に対して賛成を表明しない
韓国メディア『ソウル経済』の2021年10月22日の記事に、韓国の加盟申請交渉について日本がいい顔をしていないことについての報道が出ました。記事の一部を以下に引用します。
政府は「包括的・漸進的環太平洋連携協定(CPTPP)」加盟のために協定加盟国との事前協議を打診したが、議長国である日本の支持は好意的なものではないと受け止めていることが分かった。
(中略)
23日、関係省庁によると、政府は今年の初めから、日本と『CPTPP』申請のための事前交渉を行った。
事前交渉は協定加入を正式に申請する前に、協定加盟国と一対一で会って支持をもらう手順で、協定参加の最初の関門である。
複数の政府関係者によると、政府は、日本に『CPTPP』加盟の意思を伝達し支持を求めたが、明示的な答えはなかった。
交渉の過程で「日本側が会談では言い訳をして交渉に消極的な姿を見せた」とし「韓国の加入を歓迎する雰囲気ではなかった」と伝えた。
別の関係者も「政府が韓国の加盟の意思を表わしたが日本が生ぬるい反応を示した」とし「悪化した日韓関係が影響を及ぼしたようだ」と述べた。
日本のこのような態度は、他の加盟国が、韓国政府との事前交渉過程で「韓国の加入を積極的に歓迎する」との立場を示したものとは対照的だ。
(後略)
日本政府は韓国の加盟申請に対して非常に後ろ向きな態度を取っていることが分かります(もちろん日本政府からは韓国とどのような交渉を行っているのかは出てきていません)。
また、政治家からの韓国の加盟申請に対する態度表明も特に出ておりません。
もちろん、現在衆議院議院選挙の真っ最中なので、対応する議員がいませんが、このご時世、韓国に譲歩したと取られる発言をする政治家は恐らくいません。そんな発言をしたら、日本国民から総スカンを食らい政治生命に関わるでしょう。
というわけで、韓国の『CPTTP』加盟申請に対して日本は「スルー」状態なのです。
日本は韓国の加盟申請を否決すべき
韓国が『CPTTP』に加盟するためには、特に対日本で自国にとって都合のよいよう設けてきたルールを撤廃しなければなりません。
福島産の作物などに対する差別的な扱い
日本製品についての差別的な扱い
(戦犯企業などと呼んで入札から排除しようとする動きが提起されたりする)
(本来『WTO』ルール違犯なので『WTO』でも訴訟を起こすべき案件)
etc
これがない限り、日本は首を縦には振らないでしょう(また振るべきではありません)。
中国と同じで、韓国は国際法を順守する国ではありません。国と国の間の約束を守らない国を加盟させるべきではありません。内側に入り込まれると中から食い破られる可能性があります。
中国を加盟させた『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)、『WTO』(World Trade Organizationの略:世界貿易機関)がいかなることになっているかを他山の石にすべきです。
堤防にはアリの一穴もあってはならないのです。
※CPTPPは「Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership」の略で「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」。
(吉田ハンチング@dcp)