アメリカ合衆国『FRB』が(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)2020年03月19日に電撃的に発表した「ドル流動性スワップ」は、2021年12月31日に契約期限を迎えます。
韓国からすれば、いざというときに600億ドルまで調達できた「支え」がなくなります。
端で見ている日本人ですら大丈夫なの?と思うわけですから、韓国の識者が懸念しないわけがありません。
――出たのです。あの韓国『世宗大学』のキム・デジョン経営学部教授のご高説が。
あの教授が「米韓・日韓のスワップを推進」と力説
Money1では何度もキム教授の発言をご紹介してきました。
キム教授は、とにかく韓国の外貨準備の脆弱(ぜいじゃく)性、通貨スワップの重要性について力説する方です。
キム教授が今回の、ドル流動性スワップ(韓国の呼称は「米韓通貨スワップ」)の終了予定について発言しないわけがないのです。
今回は、2021年11月07日に韓国メディア『天地日報』記事でキム教授が開陳したお考えをご紹介します。記事の一部を以下に引用します。
(前略)
ウイズコロナが進行し、米国とヨーロッパで再拡散されている。韓国は貿易依存度65%で世界2位だ。韓国は外国人の資金流出と米ドル為替レートの変動で第2のIMF通貨危機の懸念が増加している。
数年前、丁世均(チョン・セギュン)元首相は、未来志向的に日韓通貨スワップも締結しなければならないと話した。
政府は過去史問題をもう未来世代に任せ、日本との関係改善に積極的に乗り出さなければならない。
1997年の為替危機は、短期外債比率が上昇し、日系資金の流出から始まった。
その後、外国人が一時的に資金を回収し、IMF危機が発生した。
1997年の外国為替危機の際には、合衆国、日本などどの友好国も韓国を助けなかった。
しかし、今は第2の為替危機を徹底的に守るのが政府の役割だ。
日韓関係を改善し、日韓通貨スワップを締結して韓国の外国為替市場を安定させなければならない。
韓国の対外金融負債は1兆ドルを超える。
外国人韓国株式の売り続け、1年以内に返済しなければならない流動外債比率は史上最大、高い貿易依存度65%、全世界ドル需要急増、米国と中国の貿易戦争持続、そしてアルゼンチンの6回目の国家不渡りなど、国際金融市場が非常に不安定だ。
したがって、米韓通貨スワップを急いで延長しなければならない。
また、日韓通貨スワップも締結し、追加の安全装置を設けなければならない。
(後略)
1997年のアジア通貨危機の際に韓国がドボンになったのは、まるで日本の金融機関が資金を引き上げたせいみたいな書き方をしています。しかし事実は逆です。最後まで融資をつなげようとしたのは日本なのです。
逆恨みもいい加減にしろと言いたくなりますが、このような理解の方が大学で経営について教えていらっしゃるわけです。
相手が「うん」と言うのか考えましょう
12月31日に期限を迎えるドル流動性スワップを急いで延長し、日韓通貨スワップを締結すべき、と提言しています。
しかし、政府と『韓国銀行』がいくら懇願してもこれは相手がある話。キム教授のご高説のとおりにはなるかどうかは……。
まず、合衆国『FRB』がどう判断するかです。2021年09月末が期限だったのを12月末に延期した際には、『FRB』は06月中に延期を発表しています。
ですので、もし12月末の期限をさらに延長するのであれば、09月中には発表がないとおかしいのです。
しかし、『FRB』はいまだにドル流動性スワップの期限延長の発表は行っておりません。つまり、延長する気がないということではないでしょうか。
次に、日韓通貨スワップについては、韓国政府、『韓国銀行』がいかに懇願しようとも日本は応じないでしょう。応じるように働く議員がいるとも思えません。現在の日本の世論からいって、そんなことをしたのがばれたら政治生命に関わることになりますので。
「日本とは臥薪嘗胆の覚悟で付き合う」そうです
キム教授はまた、以下のような言説でこの記事を結んでいます。
(前略)
私たちは臥薪嘗膽の覚悟で困難と苦しみに耐えなければならない。韓国の未来成長と国際金融市場安定のために合衆国・日本と積極的に協力しなければならない。
韓国人の暮らしがより良くなることが最大の復讐になる。
私たちのGDPが日本を超えるまで同伴者関係でなければならない。
政府は国家経済のために急いで米韓通貨スワップを延長しなければならない。
また、日韓通貨スワップも積極的に再開しなければならない。
※引用元は同上
日本、合衆国とは「臥薪嘗胆の覚悟」で付き合うのだそうです。要は、GDPが日本を超えたら「復讐してやる」と言っているわけです。韓国人が日本人よりもいい生活になるのが最大の復讐だそうですが。
キム教授は、いまだに「用日」なんて発想が日本に通じると思っています。大変に甘い考えだといえるでしょう。逆にいえば、大学の先生がこのような考えを持つほど日本は韓国を甘やかしてきた、とも言えます。
現在の日本からすれば「おととい来やがれ」なのですが。
また、韓国に第2のIMF危機が起こったら、それは自身で解決する問題です。よその国を巻き込まないようにお願いいたします。
※以下はMoney1でもご紹介したキム教授の言説の一部です。
(吉田ハンチング@dcp)