韓国「主要先進国との通貨スワップの締結は韓国の地位を上げる」

広告
おススメ記事

韓国日本はじめ、EUイギリスと通貨スワップを締結しようとします。

この動機はなんでしょうか。韓国は通貨スワップの効果についてどのように考えているのでしょうか。ちょうど『韓国銀行』公式サイトに自身で説明している動画がありましたので、そこから以下に引用します。

「通貨スワップの効果」について、『韓国銀行』国際協力局金融協力チームのチャン・ジュニョン次長が語っている部分です。

(前略)
通貨スワップの効果について説明します。

まず、危機時に良好な金利条件で緊急外貨流動性を調達することができます。

普段から外貨資金市場でも通常の条件で外貨を調達することができますが、危機が発生すると、普段より何倍も高い金利で資金を調達しなければなりません。

また、流動性が不足して非常に高い金利でも調達自体が不可能になる状況が発生します。このような時に外国の中央銀行から良好な金利条件で該当通貨を調達することができるのです。

また、外国中央銀行から資金を調達するため、韓国銀行が保有する外国為替保有額が減少しないという利点もあります。

危機時は、外国為替保有額(外貨準備高:筆者注)の規模には不足していないにもかかわらず、先月に比べてその規模が減少した、というだけで市場の不安が高まる状況になることもあります。

この時に通貨スワップを活用すると資金は供給されますが、不用意に市場の不安感を刺激しないで済みます。

実際、『韓国銀行』は金融危機が発生した際に、米韓通貨スワップを活用して連邦準備銀行からドルを供給され、市中銀行に流動性を支援しました。

2008年のグローバル金融危機の時は合計163億ドルを、2020年の今回のコロナ19危機の時には198億ドルを供給しました。

通貨スワップを締結し、それを活用して流動性を供給すると、為替レートやCDSプレミアムなどの金融指標が改善され、市場が安定します。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「中央銀行通貨スワップの理解」

と通貨スワップの効果について語っています。「流動性が不足して非常に高い金利でも調達自体が不可能になる状況」というのは、まさに2020年03月にあったことです。

このときは世界的にドルが枯渇し、『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)は臨時のドル流動性スワップを9つの中央銀行と締結して凌ぎました。もちろんこれは『韓国銀行』のためではありません。合衆国のためです。

次長の説明で注目ポイントは以下です。

(前略)
通貨スワップには烙印効果がありません。むしろ、対外信用を向上させる効果があります。

それでは烙印効果とはなんでしょうか。

烙印効果とは、否定的な烙印が押された人が実際にそのように行動するようになり、否定的な認識をさらに強化する現象をいいます。

これの経済的な例を挙げると、ある国に通貨危機が発生したと考えてみましょう。

この時、不足している外貨をIMFから資金援助を受けることができます。通貨為替危機の際に『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)から資金援助を受けること自体はあり得ることであり、『IMF』自体はある国が危機に陥った場合、その国に資金支援をして危機克服を助けることが仕事です。

しかし、ある国が『IMF』から資金を供給されたといううわさが広がったら、市場では「あの国には問題がある」、また「状況が良くないから資金を供給されたのだろう」と疑うようになります。

危機解決のために『IMF』から資金を支援されたが、この資金支援が烙印になって、むしろ危機を育てる状況が発生する可能性があるということです。

特に我が国は1997年の経験のため、『IMF』からの資金支援に非常に敏感です。

しかし、通貨スワップにはこのような烙印効果はありません。

むしろ外貨流動性を改善し、対外債務返済能力を高めるため、国家信用等級に肯定的に作用します。

国際信用評価会社の『Fitch(フィッチ)』が2011年から12年の間に我が国の国家信用等級をA+からAA-に上方修正しました。

その時の根拠の一つは、我が国が中国、日本との通貨スワップを拡大したことでした。

また、主要先進国と通貨スワップを締結すれば、「その国の経済と金融の安定性」が先進国から通貨スワップを締結してくれるほど高い、という証拠になるため、先ほど説明したように為替相場のような市場指標も改善され、国の地位も高くなります。

この場合は、肯定的な信号を市場に与え、良い効果を誘発するという点で烙印効果とは真逆になります。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「中央銀行通貨スワップの理解」

なかなか興味深い発言です。

『IMF』に支援に入られると「あの国は危ないんじゃないか」という烙印を押されるけれども、通貨スワップの利用ではそんなことなない――というのです。

また「中国、日本と通貨スワップを締結したことが、韓国の信用格付けを上げた」というのも非常に興味深い点です。

結果、「主要先進国と通貨スワップを締結することは、国の地位を高めることになる」と考えているようです。これがやたらに通貨スワップを締結したがる動機ではないでしょうか。

韓国は中央銀行間の通貨スワップを、主要先進国の中ではEU、イギリス、日本と締結できていません。また、合衆国とのドル流動性スワップは2021年12月31日に終了します。

合衆国『FED』とのドル流動性スワップが終了すると、一つ信用の裏打ちが消えることになるのです。しかし、これは締結された時から臨時のものなので、いつか終わることは想定されていました。そのため、終了しても特に韓国の信用が落ちるということはないでしょう。

これから韓国を通貨危機が襲うようなことがあれば、話は別ですけれども。

(吉田ハンチング@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました