2021年12月23日、韓国の統計庁が「2020年企業活動調査結果(暫定)」という資料を出しました。これは、韓国企業がコロナ禍に襲われた2020年に韓国企業がどのような業績だったのか、を俯瞰したリポートです。
まず、以下をご覧ください。韓国企業(ただし金融保険業を除く)の売上高と純利益は、コロナ禍による経済低迷によって以下のように下落しました。
韓国企業の売上高
2019年:2,440兆ウォン(約234.2兆円)
2020年:2,360兆ウォン(約226.6兆円)
2019年⇒2020年:3.2%減少韓国企業の営業利益
2019年:102兆ウォン(約9.8兆円)
2020年:98兆ウォン(約9.4兆円)
2019年⇒2020年:3.9%減少⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2020年企業活動調査結果(暫定)」
売上高は「3.2%減少」、営業利益は100兆ウォンを割って「98兆ウォン」となり、こちらは「3.9%減少」です。
コロナだから仕方ないと思われるかもしれませんが、2016年からの推移を見ると面白いことが分かります。
以下をご覧ください。
↑2016~2020年「韓国企業(金融保険業除く)」の売上高・純利益の推移です。⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2020年企業活動調査結果(暫定)」
※上記データを基にMoney1でグラフ化しました。
売上高は2018年の「2,454億ウォン」が最高で、コロナ前の2019年にすでに下がり始めていました。
純利益の方は2017年の「173兆ウォン」が最高で、コロナ前の2019年には「102兆ウォン」まで下がっていたのです。
この2018年⇒2019年は「37.1%」も減少しています。これは2008~2009年に韓国を襲った「韓国通貨危機」以来で最大の減少幅です。
韓国企業の純利益が減少したのは、2006年に統計の作成を開始してから、2008年、2011~2013年以来のことです。
繰り返し述べますが「コロナ前」にこれだけの減少を記録しています。コロナ禍によってさらに下にいったのです。
韓国企業の「中国リスク」が高い理由
同リポートの中に非常に興味深いデータがあります。以下をご覧ください。
⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2020年企業活動調査結果(暫定)」
韓国企業の子会社がどの国にあるのか、を示しています。
第1位 中国……26.9%
第2位 アメリカ時間……13.8%
第3位 ベトナム……12.0%
第4位 日本……4.4%
第5位 インド……4.3%
第6位 インドネシア……3.9%
第7位 香港……3.3%
ご覧のとおり、韓国企業の子会社は中国の最も多くあります。これは、韓国がいかに中国に依存しているかの証明の一つであり、かつ中国の経済が悪化したら韓国経済も悪化するだろうという理由です。
合衆国・中国のデカップリングが進行し、サプライチェーンの組み替えが進行する中、大丈夫なのかと思わさるデータといえます。
というわけで、韓国企業の衰微というのはコロナ前に現れており、2022年はコロナの天底から跳ね返るかもしれませんが、それがどこまで戻るのかについては注視しなければなりません。
(吉田ハンチング@dcp)