北朝鮮がまたミサイルによる威嚇に精を出しており、アメリカ合衆国と日本は「どうしたもんかね」となっております。
韓国は文在寅大統領が「朝鮮戦争の終戦宣言」を引き出すべく全力を尽くしてきましたが、当の北朝鮮がこのような調子ですので、実現する可能性はさらに小さくなっています。
韓国には北朝鮮を説得などできないということを証明したようなものです。
2022年01月20日、韓国外交部はアメリカ合衆国、中国とそれぞれオンライン会談を行いました。ここにきて米中国の間で右往左往しています。
まず、米韓会議の結果についてのプレスリリースです。
韓米北朝鮮核首席代表オンライン協議(1.20.)結果
魯圭悳(ノ・ギュドク)朝鮮半島平和交渉本部長は1.20(木)午後、ソン・キム対北特別代表と韓米北核首席代表オンライン協議を行った。
両国は、最近の朝鮮半島の状況に対する評価を共有し、朝鮮半島の問題は対話と外交を通じてのみ進展が可能であるという共通の認識の下、朝鮮半島情勢を安定的に管理していくための両国間の緊密な共助を継続することにした。終わり。
なんというか、全く何も進展していないことを示すようなそっけない報告文書です。「朝鮮半島の問題は対話と外交を通じてのみ進展が可能である」としているのは「合衆国は爆撃しないよ」という意味ですから、韓国側は最低限での合意を得たと見られます。
なにせクリントン政権時には、合衆国は本気で北朝鮮を爆撃するつもりでしたから。
もっとも合衆国政府としても、間もなく終わる親北の韓国政権と相談することなどないでしょうが。韓国に伝えたところで、中国側に合衆国の動きが筒抜けになるばかりです。
次に中国側との会談の結果を公表するプレスリリースです。
↑やっぱり短いですが、この中韓会談のプレスリリースの方が米中会談より長いです中韓北核首席代表オンライン協議(1.20)結果
魯圭悳(ノ・ギュドク)朝鮮半島平和交渉本部長は、1.20(木)午後、中国の劉曉明の韓半島事務特別代表とオンライン協議を行った。
□両国は、北朝鮮の相次ぐミサイル発射および党中央委員会総会の発表をはじめ、最近展開されている朝鮮半島状況に対する評価を交換し、追加の状況悪化防止など朝鮮半島の状況の安定的管理のために共に努力していくことにした。
□魯本部長は、北朝鮮の核・ミサイル問題解決の時急性と、その根本的解決のための早急な対話再開の重要性を強調しながら、そのための中側の建設的協力を要請した。終わり。
北朝鮮は韓国を無視してスルーを決め込んでいますので、韓国の外交部は「韓国と早急に対話する」よう中国に協力を依頼したとのこと。
韓国は、北朝鮮と接触して「終戦宣言」について説得するつもりですから、合衆国は中国への依頼について苦々しく思っていることでしょう。終戦宣言が出るということは、合衆国軍が朝鮮半島にいる意味がなくなるわけで、これは文在寅政権がぜひともなしとげたいことなのです。
合衆国は「そうはいくか」と考えているでしょうが、文政権には今さら何を言っても仕方がないです。
というわけで、今回は文政権末期の韓国外交部の右往左往をご紹介しました。わざわざ同日に会談を行って、どちらにもいい顔しているという努力が泣けます。
(吉田ハンチング@dcp)