<<重要な追記>>
当期純利益の数字が誤っていましたので修正いたしました。誠に申し訳ありませんでした。
Money1ではたびたびご紹介しておりますが韓国のLCC(格安航空)は3年間もずっと危機的状況にあります。
そもそも2019年の「輸出管理強化」に端を発する「NoJapan運動」で旅客数が激減。韓国の皆さんが自ら「日本に行くものか」と起こした運動で全くの自業自得ですが、これによってLCCの経営は等しく傾きました。日本線こそがドル箱だったためです。
2020年のコロナ騒動で傾さらに致命的な打撃を受けました。以降は政府支援、無償減資、有償増資など、あの手この手でなんとかキャッシュを入手して生き延びてきました。
しかし「もうそれも限界だ」という報道が出ました。
韓国メディア『毎日経済』の記事から一部を以下に引用します。
コロナ19事態の長期化で経営環境が悪化した国内低コスト航空会社(LCC)が雇用を維持できない危機に追い込まれている。
今月末、政府が「特別雇用支援業種」に対する雇用維持支援金の支給を終了する予定で、LCC業界の不安感がさらに高まっている。
(中略)
11日、『大韓民国操縦士労働組合連盟』、『ジンエア労組』、『済州航空・エア釜山パイロット労組』などはソウル鍾路区大統領府前噴水台広場で「LCC政府支援要請」記者会見を開いた。
連盟は「パンデミックが終息するまで航空運送事業・観光業などに対する特別雇用支援業種指定を延長せよ」と要求した。
韓国政府は雇用維持のために延長してきた支援金措置をいよいよ終了する予定です。これによってLCCの人件費の負担は旧に復し、経営を圧迫することになるでしょう。
まだLCC各社の業績が2021年どのように締まったのかはまだ公示されていません。しかし、Money1でもご紹介してきたとおり、どの会社も赤字続きです。
例えば、韓国のLCC最大手『済州(チェジュ)航空』の2021年第3四半期までの業績は以下のとおりです。
↑GoogleChromeの自動翻訳なので一部ヘンな日本語がありますがご寛恕ください。2021年第3四半期まで累積
総売上:1,851億6,771万2,155ウォン
営業利益:-2,498億4,664万3,842ウォン
当期純利益:-2,183億7,560万8,254ウォン⇒データ引用元:『韓国金融監督院DART』公式サイト
営業損失は「2,498億ウォン」に及び、2021年は3,200~3,500億ウォンの損失を計上するものと推測できます。
最大手の会社でもこのような状況なのです。他のLCCも似たり寄ったりで会社は傾いています。
お金を垂れ流すばかりなので、これで人件費が増えるとますます経営は傾くでしょう。しかし、政府もいつまでもお金を出し続けるわけにもいきません。国家負債の急増が問題になっているからです。
足りない資金を得るのに有償増資(新株を発行して資本を増強すること)というのも、もはや限界です。
韓国のLCCは墜落が懸念される状況となってきました。
(吉田ハンチング@dcp)