韓国では貿易収支の黒字縮小が懸念されています。
貿易収支は貿易のもうけを示す数字で、輸出から輸入を引いて求めますが、これが十分に大きな金額でないと韓国は持ちません。
なぜ貿易収支が減少しているかというと、簡単にいえばインフレのせいです。
物価が上がると輸出金額が増えますが、韓国が輸出しているのは完成品。その価格上昇よりも、石油や鉄鉱石など資源価格の上昇の方が激しく、つまり輸入金額の方が大きく膨らんでいるからです。
2022年02月14日、『韓国銀行』は「2022年01月輸出入物価指数」のデータを公表しました。
それによれば、いまだ「輸入物価の方が輸出物価を上回って上昇している」のです。
以下のデータをご覧ください。
2022年01月
対前月比
輸出物価指数:1.4%上昇
輸入物価指数:4.1%上昇対前年同期比
輸出物価指数:22.3%上昇
輸入物価指数:30.1%上昇輸出物価指数は下がってきています。「2021年12月:+23.3%」に対して「2022年01月:+22.3%」です。
輸入物価指数は「2021年12月:+29.6%」に対して「2022年01月:30.1%」と上昇しています。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022年1月輸出入物価指数」
輸入物価指数の増減率についてこれまでの推移を見ると以下のようになります。
↑赤い折れ線が対前年同期比の増減。青い棒グラフが対前月比増減。⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022年1月輸出入物価指数」
2021年11月、12月で少し下落したのですが、2021年01月にまた上昇しました。
資本財:2.0%上昇
消費財:0.7%上昇
韓国の輸出に必要なものの上昇が大きく、これが痛い点です。さらにウォン安傾向がウォン建てでの輸入金額を膨らませています。
――輸入物価が輸出物価を上回る現象はまだ継続されています。今回ご紹介したのは、もちろん01月の結果ですが、02月の貿易収支が赤字になる可能性は高まったといえます※。
韓国経済に暗雲が垂れ込めてきました。
※ただしまだ通関ベースであることをご注意ください。
(吉田ハンチング@dcp)