韓国の通貨「ウォン」の通貨安進行(チャートでは上方向)が注目されていましたが、通貨高方向に向かい、2019年10月12日14時現在、10月11日のドルウォンチャートは以下のようになっています(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
ローソク足1本が1日の値動きを表す日足ですが、終値は「1ドル=1,183.48ウォン」なので、Money1では防衛線と呼んでいる「1ドル=1,200ウォン」のラインからは遠ざかり、韓国の通貨当局もひと安心といったところでしょう。
このウォン高の動きは特に韓国通貨当局が為替介入を行ったためではなく、アメリカ合衆国の通貨「ドル」の力が弱まったためだと考えられます。ドルの価値・力を示す「DXY」(ドル指数)のチャート(日足)を見てみると以下のようになっています。
DXYは10月10日、11日に大きく下落しました。株式・FXの取引をされる方なら気付くでしょう、水色の破線はざっくり引いたチャネルラインですが、11日の下落ではこのチャネルラインを割っています。つまり、この下落はトレンド上も非常に重要というわけです。
大きな下落が起こったのは、合衆国・中国の貿易協議が緊張緩和の方向へ進んだためだと考えられます。ここまでは「そろそろ危ない」という心理が「安全なドル」(強いドル)ヘ向かわせていたのですが、それが緩んだため今度はリスクオンの方向へ向かい、これがドル売り(他通貨買い)につながったわけです。
実際、ドルユーロのチャートを見ると以下のように、やはり「ユーロ高」が進行しています(DXYは複数通貨の価値から組成されるので当然なのですが)。
この流れで新興国通貨も買われる方向へ進んだと考えられます。韓国の人に怒られるかもしれませんが、ウォンはあくまでもローカルカレンシーなのでドルの強弱に「より大きな影響」を受けます。しかし、韓国の通貨当局が「これ以上のウォン安を望まない」のであれば、10日・11日は願ったり叶ったりの展開だったのではないでしょうか。
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記事が長かったので元記事を2つに分割しました。後段は以下になります。
(柏ケミカル@dcp)
⇒参照:『Money1』「【まとめ】南朝鮮『ウォン安』を巡る09月25日の激闘」
https://money1.jp/archives/10382
⇒参照:『Money1』「『ワロス曲線』とは? 異常なチャートパターン」
https://money1.jp/archives/9428
⇒参照:『Money1』「海洋国と大陸国の激突は必然 海洋国の「勝利」も必然」
https://money1.jp/archives/3114