韓国には「残酷な四月」という詩的な表現があって韓国メディアでも記事タイトルなどで使われたりします。
意味するところは「韓国から巨額の資金が流出する」です。これは、外国企業に対する配当・利払いが03月に集中することに起因します。
その結果、韓国の経常収支は急減、ひどいときは赤字に転落します。
韓国の経常収支は04月に急減する
論より証拠。直近5年間の月次の経常収支の推移を見てみましょう(データ出典は『韓国銀行』:以下同)。
上掲のとおり、その年の経常収支が最低額になるのは決まって04月です。
コロナ前の2019年04月、2020年04月はそれぞれ「-5億2,740万ドル」「-40億2,380万ドル」と赤転しました。
2021年04月は「1億8,120万ドル」とかろうじて黒字でした。
このようになるのは、前記のとおり、外国への配当・利払いが04月に巨額になるからです。
それも確認してみましょう。
この配当・利払いは国際収支統計の「第1次所得収支」という項目に収支が計上されます。以下をご覧ください。
「収支」なので、外国から受け取った金額と外国への支払いの差ですが、外国への支払いの方が多いので、上掲のとおり毎年04月には巨額の赤字になっています。
で、貿易収支が十分に大きければ、このマイナスを打ち消して経常収支は黒字になります。
ところが、コロナ禍に見舞われた2020年04月のように貿易で十分に利益がでず、貿易収支(貿易黒字)が縮小すると……第1次所得収支の赤字をカバーできずに経常収支が赤転するのです。
貿易収支が十分に大きければ耐えられるが……
では、2022年04月に経常収支は赤字になるでしょうか?
先にもご紹介しましたが、すでに01月の時点で貿易収支は大きく減少しています。先にご紹介したグラフを再度以下に貼ります。
2022年01月はわずか「6.7億ドル」しかありません。04月にどこまで落ち込むかまだ分かりませんが、この程度の黒字しかなければ、経常収支はまず確実に赤転します。
2020年04月には「貿易収支:4億8,820万ドル」で「経常収支:-40億2,380万ドル」でしたから。
というわけで、韓国に「残酷な四月」が迫っています。
2022年がどのような結果になるのかご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)