韓国でまぬけな話が出ております。
そもそも尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領の公約に端を発する話です。
青瓦台にこもって仕事をするのがイカンのだ!
尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは、自分が大統領になったら青瓦台から出て仕事を行うと述べていました。。
尹さんの主張によれば、韓国の大統領が帝王的なものになるのは、そもそもが青瓦台にこもって仕事をするからだ、というのです。
「秘書官と意思を疎通するにも遠い」などと述べたのですが、これについては現大統領府から「大統領が呼んでから秘書が到着するまで1分もかからない」という、いやそういうこっちゃないだろという反論が出ました。
それはともかく、尹さんの公約を実現するために「大統領職引き継ぎ委員会」が動いているのですが、うまくいっていません。
一応、大統領執務室の候補は2カ所挙がっています。
・龍山『国防部』庁舎
です。
どちらが有力かというと、龍山区にある『国防部』庁舎です。
理由は、緊急時に指揮を執るためのシチュエーションルーム、ヘリポートが国防部の庁舎には備わっているからです。
青瓦台には大統領はじめ政府首脳部を守り、指揮所となるよう地下バンカーにシチュエーションルームを設けてあるのですが、他の建物にはそのような施設はありません。
つまり、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは「青瓦台にこもらない」「大統領が仕事をしているところを国民が普通に見てもらえるようにする」という、まあ一種の気高い気持ちからそう言ったのでしょうが、現実は「外で仕事すりゃいいってもんじゃないんだよ」ということです。
国防部は拒否するも新大統領側はゴリ押し
大統領は国のTopですから警備も厳重でなければなりません。
有力候補となった国防部は「無理だってば」と難色を示しています。というのは、まずスペース。さらに大統領の警護体制をどうするんだという現実的な制約があるからです。
なにせ青瓦台ですら、1968年01月、北朝鮮の特殊部隊に襲われたことがあります。当時の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺未遂事件です。
一応国防部は「お金がかかりますからやめましょうよ」と建て前の言い訳でガラをかわそうとしているのですが、「大統領職引き継ぎ委員会」の方は「尹新大統領の意向だ」とごり押しする始末。
現実的には、おとなしく青瓦台に入り、オープンに仕事をすればいいじゃないか――という話なのですが、「王の命令は実現しなければならない」とテカの皆さんが躍起になっているという構図です。
尹さんの政治初心者ぶりが早くも露呈した格好といえるかもしれません(現代国家が政治のTopを守るためにどのような設備、仕組みを設けているのか知らなかったと思われます)。
風水なのか?という声が上がる
尹新大統領が執務室の移転にこだわっているので、イ・ジェオ『国民の力』常任顧問が「風水にこだわっているという以外どう解釈すればいいんだ」と声を上げています。
もちろんこれは皮肉でしょうが、現政権与党『共に民主党』からも似たような非難が上がっています。
尹昊重(ユン・ホジュン)『共に民主党』緊急対策委員長は「一説によれば、風水家の諮問によるものではないかという疑問が提起されている」と述べています。
さすがに風水で場所を決めたりはしないでしょうが、まあ韓国らしい意見表明です。
さらに、この国防部の庁舎のある龍山という場所には、日本軍司令部が置かれていたことがあり、「大統領が清国の軍隊、日本の軍隊が駐屯していた所に必ず行かなければならないというのか」という声も。
さて、この新大統領の執務室問題。どのように決着するのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)