2022年05月10日から、韓国では尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権時代が始まります。
Money1でも散々お世話になった洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官の後釜が誰になるのか注目していたのですが、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)さんが指名されました(下掲写真)。
この秋慶鎬(チュ・ギョンホ)さんは、現在「大統領職引き継ぎ委員会」の委員を務めていますが現役国会議員です(『国民の力』所属)。『セヌリ党』『自由韓国党』と経ていますので、思想的には保守系です。
また、1983年『高麗大学』出身で経営学学士、1993年『オレゴン大学 大学院』卒業で経済学修士。1993年02月には経済企画院(現在の企画財政部)に入省した経験があります。面白いのは『世界銀行』のシニアエコノミストを務めたことがある点(1999年)です。
2009年には金融委員会の金融政策局長を経験しています(李明博(イ・ミョンバク)大統領時代)。2016年に『セヌリ党』から立候補して国会議員に初当選。
評価としては、「派閥とは無関係に政策通、実力のある国会議員る。経済政策と金融政策の両方に精通した経済通」とされています。
興味深いのは「GDP対比国家債務比率を45%以下に、管理財政収支赤字比率3%以下に維持する財政準則を設ける」という国家財政法改正案を発議していることです。
また、2020年07月03日には、文在寅政権の第3次補正予算について、
「長い間国の財政と予算を扱ってきた人間として、今国会で行われている第3次補正予算の審議過程は理解することも容認することもできない」
「今回の補正予算事業の多くは要件に合致せず、事業目的も不明なものでいっぱいだ」
と述べたことがあります。
これまでの発言を見ると、文政権の財政については非常に批判的で、極めて常識的な人物と見られます。
今回の指名を受けて、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)さんは以下のように述べています。韓国メディア『朝鮮日報』から発言を引用します。
秋候補は「ご存じのとおり、今経済の状況はとても厳しい。対内外の状況も収束せず、国内では物価が急上昇しており、成長率は鈍化する様相だ」と話した。
続いて「家計負債、国家負債が史上最高水準にあるため、政策を巨視的に見ると動員できる手段も非常に制約されている」と見た。
秋慶鎬(チュ・ギョンホ)さんは韓国経済の状況を正確に「非常に厳しい」と見ています。
企画財政部は財務省に当たりますので、韓国の経済の舵取りを行う重要な政府機関です。
文政権のおかげで韓国政府の財政は赤転し、余力はほとんどなくなっています。「バトンを渡されても困る」かもしれないのですが、とりあえず秋慶鎬(チュ・ギョンホ)さんの手腕に期待いたしましょう。
(吉田ハンチング@dcp)