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中国が韓国に「クアッドの駒になるな!」と忠告。これは脅迫です

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来る05月10日から始まる韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権。

読者の皆さまもご存じのとおり、尹政権は親米路線を取ります。先にご紹介したとおり、すでに朴振(パク・ジン)議員率いる「米韓政策協議代表団」が地ならしにアメリカ合衆国を訪問。根回しを行いました。

本日2022年04月12日、韓国メディア『朝鮮日報』の独占記事として「合衆国のバイデン大統領が05月末に韓国を訪問する」と報じています。

同記事によれば05月24日に日本で開催予定のクアッド首脳会議の後、訪韓するスケジュールとのこと。

⇒参照:『朝鮮日報』「【独占】バイデン、5月末に訪韓…尹錫悦と首脳会談を開催」

この韓国の動きを座視していないのが中国です。クアッドは明らかに中国を封じ込めるためのものなので、中国が韓国を牽制するのは当然のこと。

中国共産党の英語版御用新聞『GlobalTimes』にまた記事が出ました。

タイトルは「韓国はクアッドのチェスの駒になることを警戒する必要がある」です。

『GlobalTimes』は中国共産党の国際的宣伝メディアですので、ここに掲載された記事は中国共産党の意見と考えて間違いありません。

同記事から注目ポイントを以下に引用します。

2007年5月の正式デビュー以来、クアッドは中国から強い疑念を持たれていたし、中国はこの排他的な安全保障志向のグループを快く思っていなかった。

10年間の中断を経て、2017年11月、トランプ政権が中国をインド太平洋地域の修正主義国に指定する直前に、ようやくクワッドが発動された。

当然、中国は反対の意向を表明した。

トランプ政権は中国を封じ込めるため「インド太平洋戦略」を採用したが、その中でクワッドは、いずれも中国と問題を抱える4カ国をまとめるという重要な役割を担ってきた。

確かにアメリカ合衆国政府には、韓国をこの対話に引き込みたいという強い動機がある。

しかし、残念ながら、韓国の最初の態度は、回避的とまではいかないまでも、生ぬるいものであった。

その理由は単純明快である。

まず、文在寅は当時、政権を取ったばかりだった。彼はTHAAD問題で傷ついたソウル・北京関係を回復させたかった。二国間関係をさらに悪化させるようなクアッドに参加するつもりはなかった。

第2に、中米間の戦略的対立が激化する中、韓国は「クワッド」に参加して合衆国の側に立ち、中国を疎外しようとは考えていなかった。

文大統領は、韓国と中国、合衆国との関係で微妙なバランスを取ろうと懸命だった。

第3に、朝鮮半島が戦争寸前にまで追い込まれた未曾有の危機を経験した後、南北関係はちょうど盟約関係に入ったところであった。

韓国は朝鮮半島の非核化を追求する上で、中国の支持と協力を必要としていた。

第4に、文政権が2016年にソウルと東京の間で締結した慰安婦合意を破棄した後、韓国は日本との関係を悪化させ、一気に両国関係が歴史的な低水準に落ち込んだことである。

日本は韓国をクアッドに引き込む気にはなれなかった。
(後略)

⇒参照:引用元:『GlobalTimes』「S.Korea should be wary of becoming another Quad chess piece」

韓国文政権がクアッドに消極的だった理由を1~4まで述べており、それぞれに正鵠を射ていますが、最も大事な理由を書き落としています。

中国が韓国を脅したからです。

中国に進出した韓国企業『ロッテ』に執拗な嫌がらせを行う、韓国産のゲームの中国市場での販売を許可しないなどなど、あの手この手で韓国を脅し、これが結局いわゆる「三不の誓い」につながりました。

三不の誓い
アメリカのミサイル防衛に参加しない
日・米・韓の安保協力を軍事同盟化しない
THAADの追加配備をしない

中国に恐れをなした韓国は、上掲のような自国の安全保障の主権を手放すような約束を中国と交わしてしまいました。

以下の部分にご注目ください。

(前略)
主権国家である韓国は、いかなる組織への参加も自国の判断で行う自律性を享受しているが、最大の隣国であり、最大の経済パートナーである中国に配慮して行うべきものである。

尹次期大統領は、ソウル-北京関係は「互いの利益と政策立場の尊重に基づくものであるべきだ」と常に強調している。

中国は韓国が他の国や組織と協力することを尊重するが、そうした協力は中国の国益を犠牲にして達成されるべきではない。

中国は、苦労して獲得した韓国との正常な関係を重視し、今後、尹政権との協力を模索するが、中国が「反中国の安全保障体制」と広く認識するクアッドの正式メンバーになることを控えるという見返りがあることを大いに期待している。

Quadの正式メンバーであるインドでさえ、インド太平洋地域に対するワシントンの戦略的計算に利用されることを警戒しているのだ。
(後略)

最大の経済パートナーである中国」の意向を忖度しろと言っています。

また、尹政権と協力をする見返りとして、クアッドの正式なメンバーにならないと言え――とも。

つまり、逆に言えば「クアッドの正式なメンバーになったら新政権と協力しないぞ」という意味です。

中国は、尹政権がもし「クアッドに加入」なんてことを言い出したら以前のように経済的に締め付けるつもりなのです。「最大の経済パートナー」とアピールしているのはそのためです。

さあ尹政権はどうするでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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