韓国には大手といわれる完成自動車メーカーが5社あります。
・『現代自動車』
・『起亜自動車』
・『韓国GM』
・『ルノーコリア』
・『双竜自動車』
このうち、『現代自動車』『起亜自動車』は勝ち組といわれ、『韓国GM』『ルノーコリア』『双竜自動車』の3社は負け組といわれています。時に「勝ち組」「負け組」といわれる理由は、黒字・赤字ではっきり明暗が分かれるからです。
2021年もこの3社は全て赤字でした。しかし、この3社がさらなる危機的状況に陥ってることが報じられています。
――自動車の生産が滞っており、生産台数が18年ぶりの低水準になってしまったというのです。
販売台数がアジア通貨危機時の水準まで下がった!
『韓国自動車産業協会』によると、『韓国GM』『ルノーコリア』『双竜自動車』3社の第1四半期の自動車生産台数は12万3,362台。
新型コロナで大打撃を受けた「12万5,985台」より減少しており、2004年の「12万210台」に匹敵する少なさです。
さらに厳しいのが国内販売台数。第1四半期は「3万4,538台」に過ぎません。アジア通貨危機直後の「1998年:3万1,848台」レベルにまで下がっています。
生産台数が激減した理由として、ロシアのウクライナ侵攻と中国大都市部のロックダウンが挙げられますが、特に響いてるのが上海のロックダウンです。
中国のロックダウンが韓国を揺さぶる!
韓国メディア『韓国経済』によると、上海では市内の工場再稼働率が50%を下回る状況で、海外輸出用のあらゆる製品の製造がストップ。
自動車産業においても、「自動車の血管」ともいえる「ワイヤーハーネス」を生産する工場がほとんど稼働しておらず、韓国に必要な量が入ってこないのです。また、エアバッグ・コントロール・ユニット(ACU)の調達も困難になっています。
ワイヤーハーネスが確保できないため、『現代自動車』と『起亜自動車』は3月から減産体制に突入しましたが、両社よりも部品の海外依存度が高く、ダメージがより大きかったのが先の負け組3社だったのです。
中国政府は「正常稼働している」と発表していますが、韓国での部品不足は変わっていません。
また、改善の見通しも立っていないことから、長期化する可能性もあります。
韓国は以前にも半導体をはじめ、必要な工業製品が中国から入ってこず、何度もあたふたしています。そのたびに場当たり的な方法で切り抜けてきましたが、果たして今回はどうなるでしょうか。
⇒参照・引用元:『韓国経済新聞』「”中 부품이 안 온다”…제조업 올스톱 위기」
⇒参照・引用元:『韓国経済新聞』「”외환위기 수준”…르·쌍·쉐 1분기 판매량 24년 전」
(松田ステンレス@dcp)