韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)親大統領は、親米方向に舵を切り直しました。
2022年04月26日、韓国メディア『聯合ニュース』が尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの「要請されるのであればクアッドへの参加を前向きに検討する」と述べたことを報じました。
これに対して、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』がさっそく牽制の記事を上げています。以下に注目ポイントを引用します。
韓国の次期大統領である尹錫悦(ユン・ソギョル)氏は、四極安全保障対話(Quad)への参加を要請されれば「前向きに検討する」と述べたと、韓国の通信社『聯合ニュース』が27日に報じた。
尹氏はこの発言を通じて、主に二つのシグナルを送ろうとしている。
ひとつは、選挙期間中から公約として掲げてきた米韓関係強化への決意を示すこと。
一方で、尹氏の発言は国際社会の反応を試すものでもある。
特に、韓国が中国包囲網を目指すアジア太平洋4カ国の同盟「クアッド」のメンバーになった場合、北京がどのような反応を示すか、ソウルは気にしている。韓国は中国の底意を知ることができるというわけだ。
尹氏が選挙戦で主張したように、韓国が「クアッド」に加盟することはあり得る。
しかし、韓国がどのような組織に参加しようが、ソウルは北京の底意に触れることなどできない。したがって、韓国が軍事、政治、外交などの分野で中国を封じ込めるために4極機構に参加すれば、中韓戦略協力パートナーシップを超えて、中国の利益を損なうことになる。
そんなことは絶対に許さない。
(後略)⇒参照・引用元:『Global Times』「クワッドは、韓国の有無にかかわらず、中国に大きな脅威をもたらすことはありません」
毎度のことですが「脅し」です。「絶対に許さない」と書いています。もし明確にクアッドに参加するなどということをしたら、中国は韓国に手ひどい制裁を加えるでしょう。
また、日本について述べた以下の点も注目に値します。
(前略)
同時に、クアッドの能力も実は限られている。現在のクアッドのメンバーのうち、日本とインドの2カ国にはそれぞれ独自の関心と計算をしています。
インドはすでにロシアとウクライナの紛争問題で合衆国との矛盾を露呈している。
日本は、一方では合衆国に追従しつつも、他方では中国との関係や協力関係を考慮している。その結果、東京は完全にワシントンの手先として行動することはないだろう。
結局、アメリカとともに反中国の雄叫びをあげるのはオーストラリアだけである。
中国を封じ込めようとするクアッドの意図に十分注意を払い、このグループが力の点では大したことはないにしても、油断は禁物である。
クアッドは拡大しても恐れるに足らない。
⇒参照・引用元:『Global Times』「クワッドは、韓国の有無にかかわらず、中国に大きな脅威をもたらすことはありません」
日本もずいぶんなめられたものです。一方で「油断は禁物」としていますので、効いてる効いてる――というところでしょうか。
「クアッドは拡大しても恐れるに足らない」というのは、韓国が入ろうが入るまいが同じだ――という記事タイトル「韓国の有無にかかわらず」につながります。
確かに弱い環がチェーンに加わるのは良くありません。クアッドメンバーは、韓国については熟考した方が良いでしょう。自由民主主義国家なのかどうかも怪しいところがありますので。
(吉田ハンチング@dcp)