『韓国銀行』総裁は「常設の米韓通貨スワップ」に冷く笑う

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韓国メディアでも大いに盛り上がった「米韓通貨スワップ」が、2022年05月21日の米韓首脳会談で不発に終わりました。しかし、まだ「議論を継続してなんとか締結まで」という意見が韓国メディアでは出続けています。

まず、『中央日報(日本語版)』には『韓国銀行』の李昌洋(イ・チャンヨン)新総裁に「常設通貨スワップの議論が米韓でなされているのか」という質問をぶつけてみた、という記事が出ています。以下に一部を引用します。

(前略)
李総裁は26日、金融通貨委員会定例会議直後に開かれた記者懇談会で米FRS(連邦準備制度)と常設通貨スワップを議論しているかとの質問に「今回の韓米首脳会談の具体的な議論は企画財政部を通じてやりとりされているため、コメントするのは不適切だ」として「韓銀は通貨スワップだけでなく常時議論のチャンネルがあるが、市場状況や政府の対話を考慮して具体的に明らかにすることはできない」と明らかにした。

⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「韓国銀行総裁、韓米通貨スワップ議論の質問に「常時議論チャンネルはあり…コメントするのは不適切」

先にご紹介したとおり、この李昌洋(イ・チャンヨン)さんは、国会人事聴聞会で「米韓の通貨スワップ」について「(韓国が)ほしいといってどうなるものではない」という旨の回答をしたことがある「分かっている人」です。

記者からの「常設通貨スワップを議論しているか」という質問に恐らく冷笑したでしょう。

しかし、李昌洋(イ・チャンヨン)総裁の「企画財政部を通じてやりとりされている」という点が大変に興味深いのです。

というのは、政府の王允鍾(ワン・ユンジョン)経済安保秘書官は、米韓通貨スワップについては中央銀行である『韓国銀行』のマターであるという逃げを打っているのです。

韓国メディア『連合インフォマックス』の記事から王允鍾(ワン・ユンジョン)経済安保秘書官の発言を以下に引用してみます。

王允鍾(ワン・ユンジョン)経済安保秘書官は21日、龍山大統領室で記者たちと会い、「米韓通貨スワップを締結するとなれば、米国連邦準備制度(Fed・連銀)が担当することになる」とし「米国は中央銀行の独立性を強調する。我が国も同じだ」と話した。

王秘書官は「通貨スワップの主体は両国中央銀行」とし「私たち企画財政部と米国財務部が協力するだろう。基本的に議論が今後も持続すると期待する」と話した。

通貨スワップの主体が独立性が保障された中央銀行なので、政府がスワップ締結を主導することはできないが、最大限協力する方針であると解釈される。
(後略)

⇒参照・引用元:『連合インフォマックス』「大統領室『米韓通貨スワップ議論持続期待…主体は中央銀行』」

上掲の李昌洋(イ・チャンヨン)総裁の意見と異なっています(笑)。総裁は「企画財政部が主導する」ですし、王允鍾(ワン・ユンジョン)経済安保秘書官の方は「『韓国銀行』が主導して、われわれは支援する」です。

どちらも米韓首脳会談が終わってからの発言です。つまり、「誰も米韓通貨スワップを主導していない」ことになります。

責任の押しつけ合いです。

さあ、こんな状況で本当に「米韓通貨スワップ」(しかも常設狙い)なんて無理矢理な話が進められるのでしょうか。

『韓国銀行』の李昌洋(イ・チャンヨン)総裁、尹政権の両方が「そもそも話が無理筋だ」ということを理解しているので、本当は交渉したくないのではないでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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