「いわゆる徴用工」問題ですが、韓国政府には、いよいよ手がなくなってきました。
(よせばいいのに)韓国の外交部は原告側との協議を行って、意見聴取し、なんとか合意しようとしましたが、全くの無駄でした。
韓国メディア各紙の記事によると、外交部はこれ以上、原告側との官民協議会を開催しない模様です。
いくら希望を聞いても無駄だということを外交部も悟ったようです。
二進も三進もいかなくなって話がねじ曲がる
2022年09月06日付『朝鮮日報』の記事から、以下に一部を引きます。
政府と被害者側は、日本企業が徴用被害者に賠償すべきお金を韓国政府予算で先に支給し、後に日本側に請求する方式のいわゆる「代位弁済」は望ましくないことに同意したと伝えられた。
(中略)
外交部関係者はこの日午後の記者たちと会って「政府予算を使う代位弁済は望ましくない、というのがコンセンサスだ」と述べた。
代わりに、履行主体と財源の整備に関連して、韓国または日本企業が新しい基金を作る、強制動員被害者支援財団など、既存に活動中の組織を活用する方法などが取り上げられたという。
この日の会議では「日本政府の誰がどのレベルで謝罪するかは、政府がよく協議して引き出すべきだ」という話が出た。
また賠償レベルと関連し、「対象者は大きく最高裁判所確定判決を受けた被害者に制限し、最高裁判所に係留された訴訟被害者や、訴訟をしていない徴用被害者は対象から除外することが話し合われた」とした。
(中略)
政府は被害者の高齢化などを勘案し、なるべく迅速に解決策を設ける方針だ。
外交部は「諦めることができない問題で、かなり真剣に日本と話している」としながらも、政府案の導出時期については確約をしなかった。
日本政府は、韓国側の「誠意ある呼応」の要求に何の反応もしていないことが分かった。
注目は、「韓国政府がお金を出すのはダメ」としている点です。原告側は「韓国政府が支払うのではなく、憎い日本に払わせたい」と思っているのかもしれませんが、とんだお門違いです。
1965年の日韓請求権協定で朝鮮半島に対する債務はすっかり片付いたというのが日本政府の立場です。そのため日本はお金を支払う必要は一切ありません。
もし債務があるなら、債権に対する支払いを全部受けとった韓国政府が、原告に対して支払わなければなりません。少なくとも建て付け上は。
そのため、「韓国政府が原告に対してお金を支払うのはダメ」ということになれば、原告はどこからもお金を受け取ることはできません。日本政府・企業は支払いませんから。
そのために日本企業の資産を売却しよう、という話になっているのですが、本当に売却されたら「おしまい」です。
あらかじめ述べているとおり、日本政府は日本企業の資産が売却されたら報復措置を取る旨を警告しています。
というわけで、韓国政府の取り得る選択肢はありません。
原告の話を全部飲んで、日本政府の主権に当たらず・怒らせず、なおかつ韓国のメンツも立つ――そんな解決策があるはずはないのです。
こないだ門前払いしたプランを持ってくるつもりだ
韓国政府がお金を出せないので、
・その基金には日本企業がお金を出します
・日本政府と日本企業にはまず謝罪してもらう
という大変に虫のイイ話を日本側に提示する可能性が高まっています。日本からすれば、これで解決策になると考えている韓国政府の神経を疑う他ありません。
また、このような話は2019年当時、河野太郎外務大臣が否定しています。
↑YouTube『テレ東BIZ』チャネル「河野外務大臣「極めて無礼」【ノーカット】(2019年7月19日)」
上掲は2019年07月19日に南官杓(ナム・グァンピョ)駐日大使を外務省に呼び出し、「国際法を守る措置を取れ」と抗議した際の動画です。
この中で、南大使が「日本政府にしている提案」について述べかけたところで、河野外務大臣は「ちょっと待ってください。韓国側の提案は全く受け入れられるものではない。国際法違反の状況を是正するものではないということは、以前に韓国側にお伝えしております。それを知らないふりをして改めて提案するのは極めて無礼でございます」と述べました。
ですから、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が上掲のような「解決策」を持ってきたとしても、「知らないふりをして改めて提案するのは極めて無礼」という同じ言葉で門前払いできます。
で、同記事の最後の一文に行き当たります。
韓国側が原則に沿った解決策を提示しませんので、日本政府が何も反応もしないのは当然です。
キミはさっきから誠意、誠意と言っている。誠意って何かね?――です。
(吉田ハンチング@dcp)