韓国『産業銀行』が「大宇造船海洋をさっさと売却だ!」でもどこに?

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懸案の韓国造船最大手企業の件です。小ネタかかもしれませんが興味深い話ですのでご紹介します。

せっかく『産業銀行』が描いた絵図がご破産!

『大宇造船海洋』は韓国の造船最大手Top3に数えられる会社。そもそも同社は大赤字で事実上破綻しており、救済のために『現代重工業』グループ『韓国造船海洋』との合併が行われる予定だったのです。

ところが、この合併審査についてEUが「不可」と判断。世界的な企業のM&A案件は各国の合意が必要になるのですが、これで合併プランは雲散霧消しました。

韓国からはEUの否決に対して「ふざけるな」という怒りの声が上がったのですが、否決は当然です。

各国の公正取引委員会の判断は、合併した企業が独占禁止法違反となるような、シェアを寡占するような支配力を行使しないかどうかについて行います。

しかし、『大宇造船海洋』と『韓国造船海洋』のLNG船のシェアを合わせると6割にも達するのです。こんな合併が認められるわけがありません。

現在、『大宇造船海洋』の大株主は、韓国の国策銀行『産業銀行』となっていますが、合併プランは同行が主導したものです。プランがご破産になったので、『産業銀行』はまた『大宇造船海洋』をどうするのかの絵図を作らなければなりません。

元の木阿弥とはまさにこのことです。

『産業銀行』は「さっさと売却だ!」

2022年09月14日、新しく就任した姜錫勲(カン・ソクフン)『産業銀行』会長は、就任100日の記者懇談会で、『大宇造船海洋』の処理方向について「『産業銀行』が大株主であるシステムの効用が尽きたかどうか、根本的に判断する」と述べました。

遠回しですが、『産業銀行』が大株主を務めるのはさっさとやめて、売却にすると示唆したのです。このまま『大宇造船海洋』を保有していても、同社の赤字を埋めるために際限なく資金を入れることが続き、『産業銀行』としても「これ以上は付き合ってられん!」なのです。

姜錫勲(カン・ソクフン)会長は、国会では「『大宇造船海洋』の分割売却を進める」と述べているのです。

『大宇造船海洋』を分割するというのは、同社が韓国海軍の艦艇を建造、納品しているからです。『大宇造船海洋』を国内の大手造船企業に売却するプランは、各国の承認が得られず不可能です。

しかし、海外の企業が買うとなると、国防機密が流出するかもしれません。そのため、国防部分は切り離してそれ以外の部分を売る、といった「ひねり」が必要なのです。

韓国の造船業は、いまだに一応主力輸出産業となっています。ここでTop3のうち一つが外国企業に売却というのは、あまりうれしくない事態です。

しかしがながら、赤字を垂れ流しているので放置もできないのです。

『産業銀行』はどのような絵図を描くつもりでしょうか。ご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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