儲かるから会社がある! だけど……
会社はなぜあるのでしょうか。社員を養うためではありません。もちろんそれもありますが、それは副次的な話。事業に必要だから社員を雇用しているのです。では、なぜ会社は事業を行っているのでしょうか。
これはもうシンプル極まりない話で「その方が儲かるから」です。
以下は、東京都市大学総合研究所教授、121ワークスLLC代表の廣瀬禎彦さんに筆者(バカ)が聞いたお話です。廣瀬さんは、日本アイ・ビー・エム事業部長、アスキー常務取締役、セガ代表取締役副社長、アットホーム代表取締役社長、コロムビアミュージックエンタテインメント代表執行役兼最高経営責任者(CEO)を歴任された方です。
「正社員を10人雇用したらだいたい年間1億円はなくなります。その1億円を元手に事業をやるわけです。でもその事業をやってその利益率が銀行金利に負けてはいけませんね。もし銀行金利の方がいいなら、その1億円は銀行に預けたますよね。銀行金利に負ける事業なんか、やっただけリスクがあるから損。誰が人を雇用してまでそんなリスクを背負うでしょうか?」
全くもってそのとおりとしか言いようがないですね。ただし、「儲かるからやる」「儲からないからやらない」という発想だけでは限界があるそうです。
「まずは社会的にニーズがあるから事業化するのです。ニーズが顕在化していなくても事業化はできますが、その場合はリスクが大きいです。実際は『儲かるからやる』のですが、ニーズがあっても儲からないと事業として継続できないません。
そのため社会的に強いニーズがあっても、儲からないという理由で解決、対応されないことがありますが、それは社会的に良くないことなので、最近ではそれに対する方法としてNPOを立ち上げることができます。つまり『儲かるだけ』という発想では社会的に限界があるわけです」
とのこと。
事業を管掌する立場になると大変!
会社の中でも、事業部長などになると、当然自分の管掌する事業がどれくらい儲かっているかを考えなければなりません。
大きな会社になれば事業部長が握っている「原資」は年間で数億円、数十億円に達します。それだけの人件費、製造コストなどの大きなお金をかけてどのくらいの利益が出せるのか、また利益率がどのくらいになるのかに知恵を絞ることでしょう。
予算組みの時期や決算時期にはエクセルシートを見ながらうんうんうなっている事業部長を見掛けることが多いのではないでしょうか。
上記の例を出すまでもなく利益率はとても大事です。幸いなことに現在銀行金利はめちゃくちゃ低いですから、それをクリアすることは容易かもしれません。しかし、それでも利益は多ければ多い方がいいですね。会社の上層部から「この数字を達成すべき」とお達しが出て、それをクリアするのに四苦八苦することもあるのではないでしょうか。
(佐藤ボイラー@dcp)