韓国「貿易黒字が出ない」ので省エネに挑む。「冬の室内温度は17度だ」

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それにしても韓国は「緊急会議ばっかだな」という状況です。

2022年11月04日、韓国の企画財政部で「第11次緊急経済次官会議」を開催したのですが、これがちょっと面白い内容だったのです(以下がプレスリリース)。

方基善(パン・ギソン)企画財政部1次官は、11月04日(金)10:30政府ソウル庁舎で「第11次」の
緊急経済次官会議」を開催し、次のアジェンダについて議論した。

➊省エネ補完案
➋中小企業の輸出状況の確認と対応方向
➌海外インフラ受注活性化戦略の履行点検

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「第11次緊急経済次官会議」

韓国経済の屋台骨である「輸出」の弱体化をなんとかしないといけない状況となっていますので「2」は分かります。

先にご紹介したとおり、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が「原発と防衛産業を抱き合わせで輸出だ」「全部署は産業通商資源部のつもりで」と発破をかけていますので「3」も分かります。

しかし「1」の「省エネ補完案」は唐突です。

実は、これは貿易赤字を大きくしないための項目なのです。

上掲のとおり、韓国は2022年10月時点で7カ月連続の貿易赤字です(通関ベース)。貿易赤字の原因は、主に資源価格が急騰したため。ですので、省エネを行って原油、LNG、石炭などの資源輸入を抑えようというのです。

本会議を主催した方基善(パン・ギソン)第1次官は以下のように発言してます。

全体的な輸出の流れが弱まり、当分の間、貿易収支の黒字転換が容易ではない

「成長のための新しい輸出動力の確保戦略を議論しながら省エネ補完案を集中的に検討している」

「今年の冬の気温が例年より低くなる可能性が高いという見通しが出てくるほど、より強度の高い省エネ努力が必要だ」

「中央政府だけでなく自治体を含む全公共部門が、エネルギー使用量10%削減を目標に室内平均温度を17度に制限し、室内照明を30%以上消灯するだろう」と

方基善(パン・ギソン)第1次官は「当分の間、貿易収支の黒字転換は難しい」と認めました。

そのため省エネを進めようとしているのですが、エネルギー使用量10%削減というのはかなり高いハードルです。

もっとも韓国は2020年基準で『OECD』中最も石油依存度の高い国です(『韓国経済研究院』のリポートによれば「GDP1万ドル当たりの石油消費量は5.7バレル」で第1位)。

絞れる余地はけっこうあるのかもしれません。

それにしても、「平均室内温度17度」というのはかなり厳しいのではないでしょうか。

輸出が弱体化しておりスグに回復しそうにないので、韓国は省エネに挑もうとしています。

(吉田ハンチング@dcp)

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