地方自治体の保証があったABCP(Asset-Backed Commercial Paper:資産担保コマーシャルペーパー)を不渡りにしたり、永久債のコールスキップを宣言※したりしたので全くの自業自得ですが、資金調達市場での流動性が細っています。
メディアでは「韓国はすでに信用危機に突入したのではないか」という話が出ました。
韓国メディア『ヘラルド経済』の記事から一部を引用します。
(前略)
レゴランド事態に触発された「金脈硬化」が金融市場を襲い、家計経済にも浸透する態勢だ。すでに中堅企業と大企業すらも資金調達が停滞し、高い金利を付けても資金を集められない「韓国信用危機」が醸成されたのではないかという声が大きくっている。
物価上昇に対応して金利引き上げに乗り出した『韓国銀行』の政策も、緩急を調整しなければならないという市場の要求が出始めた。
(後略)
「戦争だって? そんなものはとっくに始まってるさ」という有名なせりふがありますが、危機も同じでいつ始まったのかはその時は分かりません。
後になって、「ああ、あの時に」と分かるものなのです。
『ヘラルド経済』の同記事は、『韓国レゴランド』の不渡りと『興国生命』のコールスキップ宣言が狼煙となり、すでに韓国は信用危機に突入しているのではないか――と懸念を表明しているわけです。
本当にそうなのかは、まだ分かりません。
また、同記事は『韓国銀行』に金利のアゲに緩急をつけてくれと注目しています。『韓国銀行』が基準金利を上げると、ただでさえ金利が急騰して困っているのに拍車をかけることになるからです。
『金融投資協会債権情報センター』のデータによれば、2022年11月07日、A1格付けのCPの平均金利は「4.94%」となり、年内最高値を記録しました。
恐ろしいことに、2023年償還するKP(Korean Paperの略)が約250億ドル(約3兆6,380億円)もあります(『NH投資証券』による)。
※「Korean Paper」というのは「韓国の居住者が外国で発行する外貨建ての証券類」という定義です。
金利が急騰している中、もし借り換えできなかったらどうなるでしょうか。デフォルトが起こってさらに外貨建て韓国債券の信用が失墜します。
企業が資金調達できなくなると、当然事業活動は縮小します。すると、実体経済にも悪影響を及ぼすのです。
資金調達市場の流動性低下は韓国経済の先行きに暗く、大きな影を落としています。
※以下の記事でご紹介したとおり「早期償還は行う」ことになりました。
(吉田ハンチング@dcp)