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韓国「65歳以上はタダ」をやめないか?という話

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韓国の鉄道会社は大赤字です。『韓国鉄道公社』(略称「KORAIL」)はいうに及ばず、ソウル市が管轄している『ソウル地下鉄公社』なども赤字で二進も三進もいきません。

民間企業ならとっくに倒産している

2022年がまだ締まっていないので、2021年決算のデータですが、以下は『韓国鉄道公社』です。

総売上:5兆7,646.9億ウォン
営業利益:-8,881.2億ウォン
当期純利益:-1兆1,552.0億ウォン

2017~2021年の『韓国鉄道公社』の営業利益の推移を見ると以下のようになります。

『韓国鉄道公社』営業利益
2017年:-4,699.1億ウォン
2018年:-339.0億ウォン
2019年:-1,083.0億ウォン
2020年:-1兆2,113.7億ウォン
2021年:-8,881.0億ウォン

このように赤字続きです。「よくやっていけるなぁ」と思われるかもしれませんが、公社で親方太極旗だからこそ持っているだけで、民間企業ならとっくに倒産しているでしょう。

韓国は「鉄道運賃が安い」などと誇らしくいうかもしれませんが、なんのことはない公的機関が赤字をかぶっているだけです。結局は税金で補填しているわけで、「あんたの懐から出てる」のですから、ちっとも誇らしくなんかありません。気付かないだけで国民が負担させられているのです。

そもそも根本がおかしいので赤字なって当然

韓国の鉄道が地下鉄も含めて赤字になるのは2つの理由があります。

1.鉄道運転が非合理的に安い
2.65歳以上の無料制度がある

福祉政策、国民サービスの一環というわけなのでしょうが、鉄道運賃が原価を割って安く設定されています。そのため旅客を輸送すればするほど赤字になるという根本的な欠陥を抱えています。

「2」は韓国メディアからもよく指摘されますが、「65歳以上の人は無賃乗車が可能」という福祉制度による売り上げ不足です。

また、タダなのをいいことに65歳以上の人が鉄道を使って荷物運びのバイトをしている――といったこともあるようです。これはともかくとしても、韓国の鉄道は赤字になって当然で、福祉・国民サービスというのであれば、赤字やむなしでしょう。

……ところが、さすがに赤字が巨額になって「これ以上政府(地方自治体含む)が支えるのは無理だってば」という意見が目立つようになってきました。

「65歳以上へのサービスを見直そうよ」という意見

せめて原価をリクープできるトントンのラインまで運賃を上げればいいのでしょうが、国民の反発が恐ろしいのでしょう、これを正面切って国民にぶつけているのは呉世勲(オ・セフン)ソウル市長ぐらいです(一部及び腰ですが)。

しかし、『国民の力』議員から「65歳以上は無料で乗れるという制度をやめないか(見直さないか)?」という意見が飛び出しました。

韓国メディア『毎日経済』の記事から引用すると以下のような具合です。

(前略)
31日、朱豪英(チュ・ホヨン)『国民の力』院内代表はこの日午前、国会で開かれた院内対策会議で「65歳以上の無任乗車は中央政府が決定をし、その後は自治体が負担しなければならないが、委員会を中心に根本的な解決方法を議論しなければならないようだ」と明らかにした。

(中略)

先立ってソウル市は公共交通機関の料金を引き上げると明らかにした。朱代表の言葉通り、高齢者の無賃乗車などで赤字が増え、8年ぶりに料金を上げることにしたのだ。
(後略)

⇒参照・引用元:『毎日経済』「地下鉄65歳以上無賃乗車はなくなる…與『赤字根本的解決が必要』」

(「韓国はG5になる」といった珍発言もあったものの)呉世勲(オ・セフン)ソウル市長はなかなか有能な人です。呉市長の動きを好機と見て、朱豪英(チュ・ホヨン)『国民の力』院内代表は「65歳以上無料制度の見直し」を示唆しました。

これは無理もありません。

韓国は日本よりもずっと速く老いていきます。そのため「65歳以上は無料」という制度をこのまま運用すると、とてもではありませんが鉄道会社の経営が立ち行かなくなります。また、政府も支えきれません。

どこかで根本的に見直す他はなく、韓国の皆さんにとっては憂鬱なことかもしれませんが、鉄道運賃は上げるしかないのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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