中国が「国際ルールって何かね?」日米はルール、ルールと言っている

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「国際ルール」って何かね?――です。

2023年05月11日、中国外交部の定例記者ブリーフィングが行われましたが、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』からの質問について、汪文斌報道官は以下のように答えました。

『Global Times』記者:
日本で開催されるG7サミットが、中国に国際ルールの遵守を求めると報道されています。 これに対して、中国はどのようなコメントをするのか。

汪文斌:
国際ルールというなら、まず国際ルールとは何かを明確にする必要がある。

国際社会の大多数の国は、国連憲章の目的と原則に基づく国際関係の基本規範が、全ての国が守るべき国際ルールであることに同意しています。

G7は国連憲章にはほとんど触れず、いつも「民主主義国家」や「ルールに基づく国際秩序」を口にする。

はっきり言って、G7が言う国際ルールとは、イデオロギーや価値観に基づく欧米のルール、「合衆国第一主義」、G7主導の「小さなサークル」ルールである。

こうしたルールは、国際社会の共通の利益ではなく、G7のような一部の国の既得権益に奉仕するものである。

G7は中国に国際ルールの遵守を要求するが、彼ら自身はまさにルール破り、ルール違反の代表である。

近年、合衆国はユネスコやパリ協定など17の国際機関や協定から脱退し、G7の同盟国も省みず世界中で無差別に盗聴や機密窃取を行い、外交圧力、経済強要、軍事介入の棒を振り回し、アフガニスタン、イラク、シリアなどの弱小国を露骨に侵略して、数千万の無実の民間人の命を奪ったり、難民を発生させたりしている。

国際ルールの順守という点では、合衆国は他国に命令するのではなく、自らを省みるべきだろう。

私たちは、合衆国、日本、その他のG7諸国に対し、まず国連分担金の長年の滞納分を支払い、シリアにいる不法な軍隊を撤退させ、核汚染水の海への排出計画の推進を止め、分裂と対立を挑発し、国際ルールの旗の下で自らの覇権的地位と利己的な奉仕を行わないように求める。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「2023年05月11日、外務省の汪文斌報道官は定例記者会見を主催した」

そもそも、質問者が中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』であること自体が、このQ&Aが茶番であることの証明ですが、中国共産党の思惑が窺えるよい内容になっています。

「君はさっきから誠意、誠意と言っている。誠意って何かね?」という名言がありますが、模していうなら「西側はさっきから国際ルール、国際ルールと言っている。国際ルールって何かね?」です。

中国共産党の考えでは、西側のいう国際ルールとは、「米国第一主義」「G7のような一部の国の既得権益に奉仕するもの」となります。

おおむね間違ってはいませんが(笑)――だから何?です。

自由主義陣営国家はそのルールの中でやってきているので、ここに中華秩序などを持ち込まれたら困るし、「だから守らない」という態度は認められません。

結局のところ、中国と合衆国のどちらがマシかの選択に過ぎませんが、自由主義陣営国が中国を取るなんてことは絶対にありません。

もう何度だっていいますが、これはイデオロギーの戦いであって、妥協はあり得ないのです。旧ソ連のように中国共産党が崩壊するまで戦いは続きます。

「中国でもやがて自由主義が勝ち、共産党独裁も壊れていくだろう」などという楽観的な予測は外れたのですから。

(吉田ハンチング@dcp)

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