韓国政府の収入不足「100兆」。年間40~50兆を浮かすプラン!?

広告
おススメ記事

2023年06月28日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「2023 国家財政戦略会議」を主宰し、「緊縮財政もやむなし」と明言しました。

「前政権とは異なり、責任感のある持続可能な財政運営の基本姿勢を堅持するつもり」とし、前文政権のばらまきポピュリズム政策を完全に否定。

しかし、文政権下で政府支出はざっくり600兆ウォンを超えるレベルまで膨らみました。一般家庭でもそうですが、いったん膨らんだ支出を削るのは並大抵なことではありません。政府になれば一層困難です。

韓国政府の収入はどのくらいかというと、ざっくり500兆ウォンです。

つまり普通にやれば、収入の20%が赤字。収入を1.2倍にしないと支出を賄えないという状況です。金額でいえば、収入が100兆ウォン足りません。

信じられないかもしれませんが、実は朴槿恵(パク・クネ)大統領の時代には韓国の予算は黒字で回っていたのです。

一気に「赤字にして政府負債を400兆ウォン積んだ」文在寅の功績はスゴイとしか言いようがありません。

Money1でも先にご紹介しましたが、2023年は05月までで対前年比で収入が約36兆ウォン足りません。

これは、景気悪化による企業からの税収減少、不動産関係の税収が減少したこと(不動産価格の下落による)、消費の低迷による付加価値税収の減少などによります。

収入の部では、足りない分は国債を発行して補うしかありません。しかし、前文政権が政府負債を急増させたため、信用格付け会社の目が厳しく、容易にはこれを増やすことはできません。

つまり、支出を減少させるしかありません。

このような前提の下、韓国メディア『朝鮮日報』が興味深い記事を出しています。年間支出を40~50兆ウォン節約できる、というのですが、どんな方法かというと――記事から一部を以下に引用します。

現在、内国税の21%を無条件に市区町村の教育庁に渡している。

50年前、教育環境が劣悪だった時代に導入された苦肉の策だったが、その必要がなくなった今でも残っている代表的な税金の無駄遣い制度だ。

監査院が2020~2022年に支給された教育交付金195兆ウォンの支出内訳を調査した結果、1年平均14兆ウォンが無駄に使われたことが分かった。

全国の都道府県教育庁の倉庫には、使い道が見つからず溜め込んだ現金だけで22兆ウォンに達する。

国会が義務配分法の規定を改正するだけで、毎年10兆ウォン以上の不必要な支出を減らすことができる。

政府が推進している兵士の給料引き上げを中止しても、年間10兆ウォン台の予算を削減できる。

兵長の月給200万ウォン」の公約を実行すれば、兵士の給料だけで年間5兆ウォン余りが必要で、副官・将校の給料まで合わせると10兆ウォン以上が必要だ。

政府は高齢者基礎年金も月30万ウォンから40万ウォンに引き上げる計画だが、このままでは高齢者人口の急増のため、基礎年金予算が今年22兆ウォン台から2030年には46兆ウォンに膨らむ。

基礎年金を現行水準で抑えれば、数十兆ウォンを削減できる。老後保障の主な役割は国民年金が担い、基礎年金は低所得者に集中するように制度を変えなければならない。

この3つの財政改革だけ実行しても、年間40兆~50兆ウォン台の税金を節約できる。
(後略)

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「[사설] 나랏빚 50조원 줄일 방법 있는데, 정부 국회가 실천을 안 할 뿐」

教育交付金の無駄使い削減:10~14兆ウォン
兵士の給与引き上げ中止:10兆ウォン
基礎年金を現行水準で保つ:数十兆ウォン(?)

これを合わせて「40~50兆ウォン」の支出軽減という提言になっています。

は地方政府の抵抗さえ抑え込めれば実行できそうですが、は尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の公約を取りやめるという話ですので、そう簡単にはできません。を行うと「低福祉のママ」でいけ――となります。

韓国の老齢年金の制度は、「低負担・低福祉」を看板に行ってきたのですが、人口構造の急激な変化によって「高負担」に換えないともたなくなります。

低福祉をなんとかしないと、韓国はただでさえ老齢人口の貧困率が高い国です。そのため、制度は少なくとも現水準の給付を実現できるように維持しないといけません。「老後保障の主な役割は国民年金が担い、基礎年金は低所得者に集中する」という制度改革でそれができるかどうかは詳細な試算が必要になるでしょう。

実際にこの記事では「数十兆ウォン」としか書かれていませんので。

また、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は「(前の文政権が丸投げしたので)年金制度改革は待ったなしだ」としていますが、「どのように変えるのか」の具体案はまだ出してないのです。

韓国は無策な文政権のせいで、何より貴重な「時間」という資源を浪費しました。恐らく取り返しはつきません。

(吉田ハンチング@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました