中国「元安」が爆進。「ドルを売らにゃ仕方がない」

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日本円が安値進行しており、「国家の信用が下落しているのだ」などと言う人がいらっしゃいますがウソです。

為替レートは基本的に通貨の量で決まりますので、いまだ引き締め方向のアメリカ合衆国と緩和方向の日本を比較すれば円安になるに決まっています。また、金利差がそれに拍車をかけている状況です。

お金はより利益を生む方に動くのでこれまた当然です。


↑2023年07月01日11:46時点の『Fed Watch』によると次の『FOMC』で「5.25~5.50%」になる(つまり25bp上げる)確率は「86.8%

『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)が政策金利を上げる構えを見せていますので、円安トレンドは続くものと見られます。

日本円と同じように通貨安方向なのが人民元です。以下は直近のドル元(オンショア)の日足チャートです。

まさに「なんだこりゃ」という具合に元安一直線ですが、2023年06月30日の終値は「1ドル=7.2676元」です。

中国は為替操作国ですので、この元安は中国共産党の思惑で進行している「はず」ですが、そうでなければ元安が「止められない」でズルズルいっていることになります。

元安を止めるには、ドル売り元買いが必要なのでその分ドルが溶けます。

『Reuters(ロイター)』の報道によれば、「中国の国有銀行は前日、人民元の下落を食い止めるため、スポット外国為替市場でドルを売っていた」となっています。

世界が期待したほどリオープニングが思わしくない中、習近平総書記の指導は「内需と輸出の両輪で経済を回すんだ」としています。確かに人民元が切り下げて安くなれば、中国製品の輸出価格が相対的に安くなって有利です。

しかしながら、人民元が安くなれば、資本逃避と中国内資産の縮小を誘発します。

中国共産党は政府機関を挙げて「今が中国に投資するチャンス!」とおだを上げていますが(英語版御用新聞『EUはこのチャンスを逃すべきではない』という記事を出すほどです)、通貨がずんずん安くなるなら「そこから逃げよう」になります。

また、自由主義陣営国は中国経済の先行きに疑問を抱いていますので、投資には慎重です。さらに、世界経済のブロック化(脱中国)が明確になってきて、人民元が安くなったからといって「よし! 中国からの輸入を増やそう」とはなりにくい状況です。

中国共産党が何をしなければいけないかというと、「中国よいとこ一度はおいで」と大ウソをつき続け、中国への期待を維持することです。

みんながだまされるように盛大に踊ってみせよう――ですから、物悲しい感じすらありますが、中国を沈めてしまいたいなら、「中国への期待」を完膚なきまでに潰してしまうことです。

そんなもの成立しようがないほどに。

幸いなことに、中国共産党は自分で周辺国と軋轢を起こし、信頼をなくしていっています。とにかく中国にお金をやってはなりません。

(吉田ハンチング@dcp)

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