定点観測です。
2023年08月21日、韓国の関税庁から「2023年08月01~20日の輸出入動向」が公表されました。以下をご覧ください。
2023年08月01~20日
輸出:278億5,600万ドル(-16.5%)
輸入:3,142億2,100万ドル(-27.9%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-35億6,600万ドル2023年01月01~08月20日
輸出:3,853億3,400万ドル(-13.2%)
輸入:4,137億3,800万ドル(-12.0%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-284億400万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「’23年08月01日~08月20日の輸出入の現状」
月央時点で、(通関ベースの)貿易収支は「-35億6,600万ドル」です。非常に読みが難しい数字です。
文政権下なら、最後の10日間で平気で黒字にひっくり返すでしょう。尹錫悦(ユン・ソギョル)政権ですので、恐らく08月はうまくいって薄い黒字というところです。
国際収支統計では黒字になるでしょうから、第1次所得収支の黒字とサービス収支の赤字がどの規模になるかで経常収支の赤黒が決まります。
国際収支統計の方はとりあえずおくとして、今回ご注目いただきたいのが、対前年同月比の増減です。とうとう輸入が「-27.9%」となりました。
ほとんど3割減です。
輸入は外国からする消費ですので、これが弱っていることは良くない話なのです。
韓国にとって最重要の輸出は、この時点でも「-16.5%」と全く回復が見えません。
主要輸出品目の08月01~20日の輸出金額と対前年同期比の増減を見ると以下のようになっています。
半導体:47億2,200万ドル(-24.7%)
石油製品:24億7,900万ドル(-41.7%)
鉄鋼製品:21億6,800万ドル(-20.5%)
乗用車:21億1,900万ドル(+20.2%)
無線通信機器:11億3,900万ドル(+6.1%)
船舶:10億3,500万ドル(+54.9%)
自動車部品:9億3,700万ドル(-8.9%)
精密機械:5億1,700万ドル(-23.4%)
家電製品:3億9,200万ドル(-13.4%)
コンピューター周辺機器:3億4,300万ドル(-32.8%)※( )内は対前年同期比の増減
次にちっとも回復しない対中国貿易です。
対中国貿易(2023年08月01~20日)
輸出:58億6,800万ドル(-27.5%)
輸入:68億3,400万ドル(-22.1%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-9億6,600万ドル※( )内は対前年同期比の増減
対中国貿易では、輸出は-27.5%と回復せず、貿易収支も赤字です。
というわけで、焦点の半導体、対中国貿易にいまだ復調の兆しは見られません。
対中国貿易では「もはや、かつての大儲けの時代に戻ることはできない」という諦めの意見が増えてきました。恐らくそのとおりでしょう。
韓国メディアでは「成長のエンジンを再点火しよう」などという記事が出ていますが、火がつくようなエンジンはありません。
「ラーメンと海苔とK-POP」に対中国貿易でのもうけを肩代わりすることなどできません。
(吉田ハンチング@dcp)